オープニングから6曲続けて2ndアルバムの楽曲を披露したわけだが、改めて振り返ると、ジャンルも発声方法も異なるバラエティに富んだラインナップに驚かされる。しかも手越はステージ上で得たインスピレーションに従いライブ毎に表現や発声を細かく変えていくため、同じ楽曲でもまったく違う印象を受ける場合もあり得るのが面白い。
<---->続く「サイダー」は昨年から何度もステージ上で披露された楽曲で、しっとりと丁寧に歌い上げる手越の声がすっと心に染み入る印象が強い。だが、この日の歌声はこれまで以上に甘く響いたためであろうか、言葉の一つひとつがより艶やかに感じられ、心に絡みつくような印象のほうが強かった。こういった多彩な表現を可能にするのが、ヴォーカリスト・手越祐也の魅力のひとつといえよう。
もちろん、それは一朝一夕で会得したものではない。MCではソロデビュー以降、ステージに立ち続けてきたからこそ見えた景色について語り、自らの成長を実感していることを明かした。ライブ生配信を観ているHONEYYY(=手越祐也のファン)からのコメントを拾い、返答する一幕も。「HONEYYYを幸せにする」と日頃から豪語している手越らしい気遣いだった。
ライブも中盤に差しかかったところで、手越祐也からHONEYYYにスペシャルなプレゼントが贈られる。2ndアルバムに収録されている「この手とその手」を歌うにあたり、ファイナル公演のみのサプライズ演出として、アルバムにも参加した16人のコーラス隊が登場!音大生の彼らは「スペシャルゲストとして、ファイナル公演に出演してほしい」という手越のオファーに驚いたそうだが、みな堂々とその美しく瑞々しい歌声を会場に響かせていた。
続く「Peaceful for you」でもこの日限定のコーラスを披露。オーディエンスからは大きな拍手が送られ、「こういう仲間がたくさんいるのも素敵でしょ?」と嬉しそうに語る手越の笑顔が印象的だった。
サプライズはさらに続く。「俺ら(HONEYYYと手越祐也)のラブラブを、まだライブを見たことがない人たちに見せつけてやろう!」とのことで、YouTubeに公開するためのライブ撮影が急遽行われる。披露された楽曲は、HONEYYYからのリクエストが多かったYOASOBIの「アイドル」だ。粋な提案に大きな歓声が沸いたのち、HONEYYYと手越祐也による“歌ってみた動画”が完成。後日手越祐也チャンネルにて公開予定とのことだ。
「この勢いで言っちゃうよ?」と続いて告知されたのが、手越祐也初となる2マンツアー「2ぺプラ手越-TWO MAN ZEPP TOUR-」(8月31日~9月27日)と2度目のシンフォニックコンサート「手越祐也 Symphonic Concert 2023 Vol.2」(8月12日)の開催だ。「今年の夏もHONEYYYは忙しくなるよ~」との言葉に、会場からは嬉しい悲鳴があがる。
