BiSHが7月22日に幕張イベントホールにて全国ツアー「NEVERMiND TOUR RELOADED」のツアーファイナル「BiSH NEVERMiND TOUR RELOADED」を開催した。
全国21カ所を回るツアーの千秋楽として、キャリア最大規模となる約7000人収容の幕張イベントホールにて行われた今回のライブ。この日のために全国から清掃員(BiSHファンの総称)が集結した。
ステージにアイナ・ジ・エンド、モモコグミカンパニー、セントチヒロ・チッチ、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・Dが登場し、満員の観客の前で一曲目に披露されたのは『オーケストラ』。
『オーケストラ』はBiSHの所属事務所、WACKの合同オーディションで、BiSに奪われるなど、紆余曲折のあった楽曲。
幕張の舞台でようやく披露することができたのは、メンバーにとっても感慨深いものがあったに違いない。
また、『オーケストラ』を聴いて思い出されるのは、昨年の日比谷野音でのワンマンライブの光景だ。
わずか10ヶ月足らずで観客の人数は倍以上に膨れ上がったが、メンバーのパフォーマンスもそれに引けを取らないくらい加速度的にレベルが上がっているようだ。
2曲目に『社会のルール』を披露した後は、メジャーデビューシングル『DEADMAN』へ。リンリンのシャウトが木霊し、観客のボルテージも急上昇。
続いて披露された『Marionette』ではアユニが振り絞った力強い歌声でソロパートを歌い上げる。
加入から約1年が経ち、大きく成長したアユニの歌声は、アイナやチッチにも引けを取らないくらいエモーショナルで、BiSHの楽曲の魅力を一段と引き上げている。
5曲目の『ウォント』、6曲目の『本当本気』を立て続けに披露した後、ようやくここでBiSHのメンバーから自己紹介。
一通りメンバーが自己紹介をした後、モモコが「まだまだBiSHと一緒に踊りましょー」と声をかけ『DA DANCE』の演奏が始まる。
メジャーデビュー前のファーストアルバムに収録された同曲はモモコが作詞した甘酸っぱい歌詞とポップな曲調が魅力だ。初期からのお馴染みの曲で、大舞台の緊張が少しずつほぐれていく。
そして『ヒーローワナビー』、『VOMiT SONG』の後に披露されたのは『Nothing.』。
『Nothing.』は初代BiSのラストシングル『FiNAL DANCE』のアンサーソングになっている。『FiNAL DANCE』で終わったBiSに対し、私たちはまだ終わらないと宣言する、いわばBiSの残像との決別を宣言する一曲だ。
曲ラスト、メンバーが横一列で手を繋ぎ、その手を挙げる。
そのままお辞儀をするのが通例だが、その手は降ろされないまま曲は終了。
この振り付けはどんな言葉よりも強烈にBiSHのメッセージを印象付けるようであった。
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そして次に披露されたのは『スパーク』。
『スパーク』はメンバーの顔だし前に先行配信されたBiSHの始まりの歌だ。BiSとの決別を宣言し、自身の始まりへの回帰。
BiSHの歴史がここで周したことを感じる、このライブの最も象徴的なシーンであった。
続いてこちらも初期の代表曲、『サラバかな』を披露。
小さいライブハウスで何度も歌われてきた同曲だが、幕張の大舞台でも遜色ないスケール感がそこにはあった。
『ALL YOU NEED IS LOVE』では清掃員たちがアリーナからスタンドまでみんなで肩を組み、会場が圧倒的な多幸感に包まれる。
会場が一体となったところでステージは本日2回目のMCへ。
MCではハシヤスメが会場とのコールレスポンスを楽しんだ後、ツアー移動中のエピソードを披露。アユニがハシヤスメの肩にもたれて眠っていたことから、「私のこと好きでしょ」とアユニに問いかけるも、「好きじゃない、むしろ嫌い。」とアユニが一蹴。
そこからは落ち込んだハシヤスメに代わって、アユニが司会進行を引き受ける。アユニがメンバーに話題を振るたびに口を挟むハシヤスメ、そしてそれに切れるアユニとボソッと毒を吐くリンリン。しまいにはハシヤスメがリンリンのピアスの穴が毒を吐いているのだと言い始め、「私も穴が欲しい」という謎の欲求から身体をパンパンと叩き始める。
客席からも頑張れとゲキが飛ぶ中、ハシヤスメが最終的に見つけたのは鼻の穴。
この結末にアユニが「うるせえんだよ この鼻の穴モンスターが」と一喝すると、『MONSTERS』がスタート。
バッチリタイミングを合わせて歌い始めるアイナも見事である。