2017.07.15 公開
Cocco20周年記念武道館ライブ2days、愛と歓喜に包まれる中、終演!

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(Photo by 西槇太一)

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Coccoの20周年Special Live at日本武道館2Days。1日目の「一の巻」はデビュー〜中期を支えたサポートメンバーを迎え、当時を彷彿とさせるアグレッシブでオルタナティブなサウンドで素晴らしいライブを魅せてくれたが、この夜の「二の巻」は、現在のCoccoをサポートしているバンドメンバーで編成され、Cocco自身とオーディエンスとで、この濃密な20年を振り返る大きな喜びに満ちた夜になった。

椎野恭一(Drums)、鹿島達也(Bass)、藤田顕(Guitar)、粂絢哉(Guitar)、渡辺シュンスケ(Keyboards)からなる現在進行形のバンドサウンドは「一の巻」とはまた違った歌の風景を見せ、Cocco自身も気づいていなかった「歌う」ということの意味を、理屈ではなくオーディエンスである私たちも、はっきりと感じ取ることができた夜だった。

2001年に彼女が活動休止に入る前、最後にリリースされたシングル曲〝焼け野が原〟がオープニング曲だったことも示唆的だった。終わりが新たな始まりをもたらし、その始まりは終わりを告げることなく、今日ここまで来たこと──。続く〝ドロリーナ・ジルゼ〟では、鮮やかなブルーの衣装をたなびかせながら、しなやかな動きでCoccoがしなやかに舞う。その美しさには思わず息を飲む。

MCをはさまぬまま、続けざまに9曲を、身体のすべてを使うかのように歌い切るCocco。「一の巻」でも披露された〝強く儚い者たち〟〝Raining〟〝樹海の糸〟なども序盤で披露された。同じ曲でありながら、初期メンバーとの「一の巻」では、Coccoの歌が孕む痛みや孤独がストレートに表現されていたが、この日は、ボトムの重さの中に穏やかさを感じさせるリズムが印象的だった。

 

Cocco20周年記念武道館ライブ2days、愛と歓喜に包まれる中、終演!  画像 2/3(Photo by 西槇太一)


まるで二夜にわたって、Coccoが過去の曲に別の命を吹き込んで、はっきりと「もう大丈夫」と言っているようでもあった。Cocco自身も「一昨日とはちょっと違う感じがするね」と言っていて、それを楽しんでいるように感じた。

10代、20代の頃を振り返り、自身が一度、沖縄に帰って活動休止をしたことにも触れ、「まわりの大人が逃げるなって言っても、コウは逃げてもいいと思う。大事なのは生きることだから。逃亡して生きてたら、またこうして会えるし、自分も逃げていいんだよって言える大人になったことが嬉しい」と語りかけた。

とは言え、この日のサウンドアレンジが円熟の一方向にだけ向かっていたわではなかった。特にこの夜の〝カウントダウン〟(デビュー曲)は超絶ヘヴィなバンドサウンドで圧倒され、フィードバックノイズから迎える最期の瞬間には、しばらくオーディエンスも声を上げることができずにいたほど。その余韻のままに〝絹ずれ~島言葉~〟へと続く流れもスリリングで、そのラウドでヘヴィなサウンドにCoccoの沖縄ルーツの歌唱が乗る、まさに彼女にしか表現し得ない世界を見せてくれた。

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