2023.04.07 公開
【ライブレポート】宇徳敬子、ソロデビュー30周年とバースデーを記念したアニバーサリーライヴで声出し解禁

『宇徳敬子ハッピーバースデーライヴ2023 30th Anniversary おめでとう、ありがとう。』の様子(写真:木村直軌)  画像 1/5

近年は新しいことへの挑戦として、テレビのバラエティ番組にも出演している宇徳は、今年1月に放送された『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』(TBS系)で「光と影のロマン」を屋形船のうえで歌唱。揺れる船上での安定のパフォーマンスが注目されたが、会場にはそのとき共演した山野さと子とドリーミングのちよが駆けつけており、このタイミングでUKファミリーに紹介された。国民的な人気を誇る『名探偵コナン』『ドラえもん』『アンパンマン』の3大アニメの歌姫揃い踏みに場内が沸いたことは言うまでもない。

続くゲストコーナーには、やはり共演を機に交流が生まれた中西圭三が登場した。きっかけは昨年5月に名古屋で開催されたイベント。そのときは個別のステージだったので、歌のコラボレーションは今回が初めてだという。トークでは、宇徳がMi-Keの一員として出演した92年の紅白歌合戦でも実は共演していたことが語られるなど、終始和やかなムードだったが、いざ歌い始めると、さすが実力派同士。中西が作曲を手がけた「Choo Choo Train」(91年/Zoo)と「Timing」(98年/ブラックビスケッツ)をグルーヴ感たっぷりにコラボして、観客を魅了する。2曲ともミリオンを突破したヒットチューンで、最近はTikTokでも人気だが、「Timing」ではサビの振り付けをみんなで踊るなど、会場は大いに盛り上がった。

【ライブレポート】宇徳敬子、ソロデビュー30周年とバースデーを記念したアニバーサリーライヴで声出し解禁『宇徳敬子ハッピーバースデーライヴ2023 30th Anniversary おめでとう、ありがとう。』の様子(写真:木村直軌)  画像 2/5

しかし、それだけで終わらないのがUKライヴの魅力。その後は一転、バラードの名曲「Good-by morning」(92年)をしっとりとデュエットし、メリハリの効いた構成で酔わせる。昨今の音楽シーンは90年代J-POPの再評価が進んでいるが、2人はともにその時代から活躍を続けるアーティスト。これからのコラボにも期待が膨らむステージであった。

【ライブレポート】宇徳敬子、ソロデビュー30周年とバースデーを記念したアニバーサリーライヴで声出し解禁『宇徳敬子ハッピーバースデーライヴ2023 30th Anniversary おめでとう、ありがとう。』の様子(写真:木村直軌)  画像 3/5

そんなトキメキを運んでくれたゲストコーナーのあとは、リクエストが多かった「Strawberry Night」(06年)と、代表曲の1つ「光と影のロマン」(97年)を続けて歌唱。前者では照明もペンライトもイチゴの赤一色となり、スウィートな雰囲気に。後者ではお約束の合唱パートが3年ぶりに復活し、UKファミリーの絆を体感できるひとときとなった。ラストのロングトーンに、この日を迎えられた喜びと感謝の念を感じ取ったのは筆者だけではないはずだ。

実際、宇徳は直後のMCで「心の繋がりを感じて胸が熱くなりました」とコメント。さらに「これからも自分のペースでスローライフを楽しみながら、皆さんとともに歩んでいきたい。本日最後の曲は皆さんとエナジーを1つにして歌いたいと思います」と語り、「あなたは私のENERGY」(95年)を披露した。

それにしても、ここまで90分休みなし。専門家から「自然音に近く、心にまで届きやすい、f分の1のゆらぎを持つ」と評されたオーガニックボイスは疲れ知らずで、寧ろどんどんボルテージが上がっていった。その驚異的なパフォーマンスはまさに「あなたは私のENERGY」。コロナ禍、戦争、環境問題・・・と困難な時代を生き抜く我々に力を与えてくれる歌声と言っていい。

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