ここからはしっとりと聞かせる3曲で構成された。バンド結成前に大野が配信サイトのイベントで獲得した楽曲でサウンドプロデューサー古城康行氏と出会うキッカケとなった「amulet」、きみとバンドで一番人気がありサビの森田と清原のハモリが印象的な「rosemary」、森田のボーカルが心地よい「きみとふたり」とバラード系で客席を酔わせると今度は清原のMCが始まった。
「未だに私は、自分のバンドマンとしての存在意義に悩み続けています。真依ちゃんはSNSや色んな場面で活躍し、りさちゃんはボーカルとしてバンドを支えて…。じゃあ私は何が出来ているのかって。ぴょんぴょん跳ねている姿がいいね、笑顔に元気もらえるよって言われるけど、演奏もまだまだだし、私はきみとバンドの力になれているのかとここにいる意味をずっと考えていました。でもメンバーは、梨央ちゃんだからいいんだよ、そのパフォーマンスが好きだよって言ってくれました。誇れるものは多くないけど、誰かが必要としてくれる限り、このステージに居続けないとって思いました。きみとバンドは、私がやっと見つけた居場所です。ここで輝いて、誰かの光になれるように、私らしく進み続けていきます。オレンジ色の世界」
清原が初めて作詞した曲で自分の感情をストレートに出した、普段のライブではなかなか演奏されない「オレンジ色の世界」、通常のライブであれば観客のジャンプが一斉に始まるちょっと懐かしいディスコチューンなナンバー「スローモーション」、コール&レスポンスが凄く盛り上がる明るくテンションが上がる「レリビ☆」を披露した。
ここでステージ下手からキーボードが登場し、観客席からどよめきが起きる中、ライブ当日に発売になったアルバム「kimiban」からの新曲「さよならリフレイン」が披露された。森田がきみとバンドで初めてピアノ弾き語りをした。このバラードは森田の真骨頂である艶やかで美しいボーカルで客席を魅了した。
さらにここから森田加入後初のシングル曲となった「シャボン玉」、通常のライブではラストに歌われることが多いスローバラード「歌にのせて」、王道アイドルポップソング「きみが好き」から一転してAORの雰囲気が漂う「蝉しぐれ」ときみとバンドの幅広い音楽性を見せつける。この振り幅の広さがきみとバンドらしい構成だった。
続いて大野のMCが始まる。
きみとバンド(※提供写真) 画像 7/10
きみとバンド(※提供写真) 画像 8/10
「浅草公会堂ライブを発表してから毎日、日本武道館への第1章のライブと言い続けました。ファンの方のツイートにも日本武道館という言葉を目にするようになり、私も当たり前のようにSNSやMCで日本武道館と言い、本当に私はその場所を目指しているんだと思う時があります。中学生の頃から芸能界に憧れはあったけど「何をしたい」「これで売れたい」という明確なものがなくて。メンバーやファンから「真依ちゃんは何でも受け入れられて柔軟でいい」と言われるけど私は自分が逆に空っぽな気がして嫌になります。そんな私をファンの方が支えてくれて、両親も何も言わず見守り、メンバーも受け入れてくれて。ファンや家族のためにと恩着せがましいかもしれないけど空っぽの自分にはその想いが私を満たし、上を目指せる原動力になっています。大きなステージにみんなを連れていくという約束を守るためなら私は何でもやります。このメンバーとチームで日本武道館へ行きましょう。あの場所へ」
