2017.07.09 公開
【ライブレポート】MACOが魅せた「変化」と「覚悟」7月8日@パシフィコ横浜 『今日もあなたに恋してます TOUR 2017』ファイナル 

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ステージ中央。ふいにシルエットが浮かぶ。
バックライトを背に受けながらMACOが登場した――と、客席が一気に沸く。大きな歓声が飛ぶ。観客の体温が急上昇していく。それが手に取るようにわかる。

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2016年に行われた2度の全国ツアー『FIRST KISS TOUR』『love letter Tour』とは観客の空気が、熱量が、決定的に変わっている。彼女のファンは圧倒的に10〜20代女性が多い。それゆえこれまではお世辞にも、「ライブ慣れしているとは言えなかった。だが、それが今回は最初から、全身でライブを楽しんでいる。


MACOは、その歓声をいっぱいに受けながら、オープニングの『HERO』、そして『夢のなか』までを伸びやかに歌い上げる。強く、澄んだ歌声が会場の隅々までを満たしていく。
「『今日もあなたに恋してます TOUR 2017』ファイナル! 横浜! 今日は来てくれてありがとうございます! MACOです! 最高な一日を作り上げましょう!

 
2曲歌い終えた彼女の姿を見てハッとした。彼女もまたどこかが変わっている。
柔らかさの中に強さが見え隠れするような、誤解を恐れずに言えば、プロとしての自信に満ち溢れているような。その存在感に圧倒される。


『Love Lie』『Missing You』と観客を見事に引き連れ、会場の熱をさらに上げていく。そのままの勢いで『恋人同士』『love letter』、1st シングルの『LOVE』へ。客席から響き続ける大きな手拍子の中で、気持ちよさそうに歌うMACO。m-flo loves加藤ミリヤの『ONE DAY』カバーを挟んで、『Your Love』、そして『手紙』を歌い切ると会場中は一体感と幸福感に包まれる。

 衣装チェンジを済ませるとライブは後半戦突入。『二人は夢みるマーメイド』『うれし涙』、『恋心』のキュートでPOPなサマーチューン・アレンジを披露し、観客はすっかり南国バカンス気分にさせたところで、一転、バラードへ振る。


『ふたり』『この世界中で』『Kiss』と静かに切なく、文字通り「全開で歌い上げていく。澄んだ高音域がどこまでも力強く伸びていく。聴いているこちらが、いつの間にか手にギュッと力を込めてしまうほど、握り締めた手が汗ばんでしまうほどの圧倒的な歌声が、鋭く刺さる。そのまま塊になって胸に残っていく。“ラブソングのカリスマ”の真骨頂だ。

『恋するヒトミ』『family』で本編は終了……と思ったのも束の間、アンコールを待ちきれない観客が『LOVE』を歌い出す。歌声の輪はあっという間に広がり会場中が大合唱に包まれる。もはやMACOのライブではお馴染みの光景だ。割れんばかりの拍手に迎えられステージに再登場したMACOはAIの『Story』をカバーし、『ふたりずっと』と続ける。そして――5月の福岡からスタートした全国5か所でのツアーもいよいよ本当のラストを迎える。最後を飾ったナンバーは、CMソングにもなっている『恋の道』。

ファイナル全21曲を歌いきった彼女は、ようやく肩の荷がおりたように息をついて、とびきりの笑顔を見せた。
「家族や友人、そして愛する人、大切な人たちのそばにいられるだけで幸せなんだって、感じるようになりました。今日来てくれたみんな、本当にありがとうございました! また必ず会いましょう! MACOでした!」

人は変わる。ほんの一瞬で、誰もが変わっていく。いま目の前で、ひとりの女性が「変わろうとしている。自分の人生にチャレンジしようとしている。
もちろん彼女はこれまでもチャレンジし続けてきた。「歌を仕事にする」と決めて、単身上京してきたときから、ずっと。だが今回のツアーでは、これまでの苦労も喜びも、自分自身をも、軽やかに超えていくような強さ――「覚悟」を確かに感じた。


その覚悟が、観客たちを巻き込みとりひとりが感化され、ライブ全体、いやツアー全体をも大きく変えた――成長させたのだ。

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■関連リンク
<MACO公式サイト>
http://www.macoopc.com

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