2023.03.01 公開
布袋寅泰、スペシャル・ゲストに「のん」を迎えたファンクラブ・スペシャルライブをZepp DiverCityで開催

布袋寅泰「beat crazy Presents Special Gig B.C. ONLY +1 2022」(Photo by 山本倫子)  画像 1/3

布袋寅泰の、ファンクラブ・限定のスペシャルライブ『beat crazy Presents Special Gig B.C. ONLY +1 2022』(振替公演)を目撃した。ファンダムと向き合い、通常のライブやツアーではやらないレアな選曲が魅力のステージだ。いわゆるリリースやアルバムに紐づかない作品が聴けるという、どんな曲が飛び出すかわからない緊張と期待の高揚感。

布袋は、今年で結成20周年となるファンクラブ『beat crazy』の、限定スペシャルライブ『B.C. ONLY』について、「ある意味、僕にとって実験の場でもあるし。つべこべ考えず音を楽しめる場所でもあって、パーティーでもあり真剣勝負でもあり」と、MCで語っていたのが印象的だ。

しかも、東京会場はZepp DiverCityというライブハウス。距離の近い、爆裂な臨場感に満ちたパフォーマンス。さらに、念願の歓声解禁である。3年間、まさに夢に見ていた光景だ。

オープニングは「I'M FREEI'm Free」。壮大な世界観を持つハイヤーセルフをテーマとしたロックチューン。布袋は、ピンクのジャケットを羽織り、ギターは、ZEMAITISのMETAL FRONTを使用。今回のバンドメンバーは、黒田晃年(Guitar)、井上富雄(Bass)、古田たかし(Drums)による4ピース。シーケンスの同期も使わず、骨太なバンドサウンドを「DRIVIN' TO YOUR HEART TONIGHT」、「DOBERMANDoberman」と続くロックナンバーによってをこれでもかとプレイ。キーボード、マニピュレーターのいるツアー時のアレンジとは異なる、ギターによるエフェクトを活用した生々しくもレアなプリミティヴなサウンドが耳に新鮮だ。

緩急つけて、インストでのダンサブルなパーティーロック「FINGER SKIPPIN' JIVE」や、レコーディングでは全ギターパートをブライアン・セッツァーに委ねていた「King & Queen」。さらに、シングル『さらば青春の光』のカップリングに収録された「七年目の幽霊」をプレイ。マニアックな選曲だ。さらに布袋は、ジェフ・ベックへ哀悼の意を表した。想いを込めてジェフ・ベック・モデルを用いて、自身のナンバー「ハウリング」を演奏した事は忘れられない。空間をせつなきミストでいっぱいにする、泣きの音色が響き渡った。

布袋寅泰、スペシャル・ゲストに「のん」を迎えたファンクラブ・スペシャルライブをZepp DiverCityで開催布袋寅泰「beat crazy Presents Special Gig B.C. ONLY +1 2022」(Photo by 山本倫子)  画像 2/3 布袋寅泰、スペシャル・ゲストに「のん」を迎えたファンクラブ・スペシャルライブをZepp DiverCityで開催布袋寅泰「beat crazy Presents Special Gig B.C. ONLY +1 2022」(Photo by 山本倫子)  画像 3/3

中盤、SEが鳴り響き、スペシャルゲストに女優・創作あーちすとののんが登場するサプライズも。のんは、実は音楽活動もさかんに行っており、テレキャスターを愛好するギタリストでもある。思いがけないゲストに、沸き立つオーディエンスたち。こんなスペシャルなセッションが起こるのも『B.C. ONLY』の楽しいところだ。

のんとは、音楽シーンを牽引した先輩であり、天国へ先に旅立だったたれた高橋幸宏、鮎川誠への追悼としてグラムロック・テイストな「タイムマシンにおねがい」(サディスティック・ミカ・バンド)、ウォール・オブ・サウンド風な「ユー・メイ・ドリーム」(シーナ&ザ・ロケッツ)をプレイ。のんによる天をも貫く、ロッキンかつアッパーな歌声によってカバー。様々な思いがよぎり、思わず涙したオーディエンスも多かったことだろう。

のんによるソリッドな8ビート・チューン「やまないガール」では、布袋は一歩後ろでギターに徹していた事も印象的だ。布袋による、ボーカリストを斜め後ろから見る視線からは、40年に渡る様々な物語が呼び起こされる。のんオリジナルによる本作は、ニューウェーブ調なビートの効いたロックソングであり布袋サウンドとの相性も抜群だった。のん曰く「布袋さんとこの曲を一緒に演奏できて、めちゃくちゃ楽しい!」「めちゃくちゃ楽しい!」とオーディエンス同様に盛り上がっていた。

勢いはそのままに、曲順は前後するが布袋寅泰のロマンティックな側面である「Shape Of Pain」、「London Bridge」、「DANCING WITH THE MOONLIGHT」での煌びやかなプレイに酔いしれたフロア。

さらに、とどめとして「BEAT EMOTIONBeat Emotion」、「C'MON EVERYBODY」では、聴き馴染みの深い人気チューンが、4ピースによる圧巻の演奏力によってフレッシュに繰り広げられ、会場は破裂寸前の大盛り上がりへ。オーディエンス全員のジャンプで、Zepp DiverCityがリアルに大きく揺れていた。なかでも「BEAT EMOTIONBeat Emotion」の間奏のスリリングな掛け合いは鳥肌ものだった。メンバーのスキルフルな極上のプレイに、度肝を抜かれたものだ。


ラストは「サンキュー、beat crazy! 今日はひさしぶりにみんなとロックンロール出来て嬉しかったです。(beat crazy結成)20周年と言わず、30周年、40周年と言わず50周年。60周年、70周年。とにかくいけるところまで一緒に行こうぜ! 今日はありがとう!!!」と語り、最新アルバム『Still Dreamin’』から「Let's Go」をプレイ。布袋寅泰音楽活動40周年を経て、さらなるネクストへと突き進んでいく決意表明をサウンドを通じて宣言した。

本公演は、ライブ配信も行われのチケット購入者限定(チケット販売終了)で3月7日(火)までアーカイブ配信にてで目撃可能だ。3月5日(日)までにファンクラブ入会すれば、3月7日(火)19時のチケット販売終了に間に合う。もし、ファンクラブ・限定スペシャルライブ『B.C. ONLY』が気になった方は、これをきっかけに『beat crazy』への加入をオススメしたい。常に最新をアップデートし続ける驚きの布袋ワールド、その激レアなアナザーサイドがあなたを待っている。

テキスト:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)

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