2019年の始動以来新時代のエンターテインメントを生み出す原因になる”という願いを体現してきた気鋭の7人組ダンスボーカルユニット・原因は自分にある。が、自身最大キャパシティとなるワンマンライブ『げんじぶ空間:case.5-End of Infinity-』を1月28日にパシフィコ横浜 国立大ホールで開催した。斬新なピアノロックを基調にした緻密なサウンドに哲学的な詞世界、華やかで端正なフォーメーションダンスに映像を多用したバーチャルな視覚表現と、全方面において斬新な手法で魅了する彼らの人気上昇ぶりはすさまじく、この日も日本最大級のホールが完全ソールドアウト。1月25日にリリースしたばかりの3rdアルバム『無限の終わり』収録曲を中心に、終わりの終わりは始まりというテーマのもと、平均年齢18.8歳の底知れぬポテンシャルを爆発させて、げんじぶの無限の始まり”を現してみせた。
【写真】パシフィコ横浜 国立大ホールでのワンマンライブを開催した原因は自分にある。(9枚)
原因は自分にある。(photo by カメラマン:米山三郎、冨田望) 画像 2/9
場内が暗転し、壮大なオーバーチュアが流れると、スモークの向こうから現れたのは、段差ある舞台に散らばった7人の姿。吉澤要人を皮切りに1人ひとりが直立不動でフレーズを歌いつなぎ、神聖な空気感のなかライブを幕開けたのはアルバム収録曲「僕らの世界・物語」だ。原因は自分にある。と観測者”と呼ばれるファンとの過去、現在、未来をシリアスなトーンに乗せて歌いあげる彼らは、全員が純白のフォーマルな装いで、長い髪をシニヨンに結わえた杢代和人のリボンまでもが白という念の入れよう。それがどんな色に染まっていくのか? センターで一列に揃った7人が指差す先には何があるのか? 観る者の期待を高めつつ、3,2,1”と囁いて曲を始めた小泉光咲のロングトーンが伸びる「魔法をかけて」から「夢に唄えば」の2曲では、NYを舞台にしたショー風のナンバーで、清々しい目覚めの朝から華やかな夜へと時間を進めていく。軽やかなダンスで魅せながら、二手に分かれて舞台両端のお立ち台から「今日は特別な日だから、たくさん踊って、楽しい空間にしよう!」(武藤潤)と手を振る7人に、客席は7色にきらめくペンライトを振って返答。「チョコループ」ではタイトル通りの甘い空気を愛らしい仕草で醸していくが、そこに浮かぶ笑顔は長野凌大いわく「1年前のZeppツアーの頃、夢から目標に変わった」というステージに立てた喜びの表れでもあるだろう。
原因は自分にある。(photo by カメラマン:米山三郎、冨田望) 画像 3/9
MCでは、現在放送中のテレビ朝日系列『仮面ライダーギーツ』に吾妻道長役としてレギュラー出演中のため、ライブフル出演は実に半年ぶりとなる杢代にメンバーから「久しぶり!」の声も。MCの並び順で常に彼の隣にいる吉澤も「和人が横にいると気持ちいいっすよ!」と喜びを露わにする。そこからはジャケットを脱ぎ捨て、25分を超える2023年原因は自分にある。スペシャルメドレーがスタート。鋭利なピアノロックで攻めるデビュー曲「原因は自分にある。」と、昨年げんじぶの新たな世界を拓いたZ世代アーティスト・izkiによるフュージョンミックス曲「貴方に溺れて、僕は潤んで。」で、まずは新旧のらしさ”を提示する。さらに攻撃的ジャズ曲「J*O*K*E*R」をブリッジに、なんとこの日限りのソロメドレーに突入して、先陣を切った吉澤は「犬と猫とミルクにシュガー」のラップをアグレッシブに炸裂。サングラス姿で地面にしゃがみ込むという普段の紳士なイメージを覆すスタイルで驚かせると、儚い歌声が持ち味の小泉もステッキを振って「嘘から始まる自称系」で鋭い視線を観測者に投げかける。「結末は次のトラフィックライト」で透明感と疾走感を真っすぐに届けて赤い羽根を振りまいた大倉空人に続き、観測者に悲鳴をあげさせたのが杢代の「半分相逢傘」。音源に入っている女性との台詞の掛け合いで「俺の女になれよ」とキメると、傘を使った挑発的なアクションで観測者を悶絶させる。一転「545」で、青いバラをくわえた桜木雅哉が最年少らしく瑞々しいロングトーンで青春の切なさを誘えば、最年長の武藤はハット使いも巧みに「キミヲナクシテ」で大人の男を演出。最後は繊細な「幽かな夜の夢」を、なんと長野がスタンドマイクを振り回してロックに魅せ、普段のメンバー&楽曲イメージを覆すスペシャルなパフォーマンスの数々により、げんじぶ楽曲の潜在力の高さを見せつけた。
原因は自分にある。(photo by カメラマン:米山三郎、冨田望) 画像 4/9
