2022.12.08 公開
【ライブレポート】 森高千里、煌びやかなミニスカ衣装を披露した35周年アニバーサリーライブの模様をWOWOWで独占放送・配信

森高千里(※提供写真)  画像 1/10

1曲目は「うちにかぎってそんなことはないはず」。アルバム『古今東西』のラストを飾ったナンバーを最新アレンジに乗せて歌う。リズムと言葉のループを融合させ、聴き手の全身を揺さぶる。のっけから森高マジック炸裂だ。

続いては、ライブ初お披露目となる「どっちもどっち(ミセス森高バージョン2004)」。微妙な夫婦関係を歌った楽曲を、アルバム『MY FAVORITES』に収められていたバージョンで演奏。コアファン垂涎のレアナンバー連投に、場内がどよめく。ライブハウスならではの距離感の近さがまた、堪らない。

MCでは「今日は森高千里の、頭のてっぺんからつま先まで聴いていただこうかなと思っています」とコメント。かつては挑発的でスリリングなメッセージが注目を浴びたこともあったが、この言葉は威風堂々の響きさえ感じさせた。

その後、「THE BLUE BLUES」「頭が痛い」「こわい夢」「台風」と、独創的な詞とサウンドの変遷をなぞるようなナンバーが続く。ビッグバンド、ロックンロール、ロカビリー、何と引き出しの多いことか。印象的なギターリフをフィーチャーし、楽曲ごとに異なる装いで攻めたステージを決める。

「Don’t Stop The Music」そしてCAPSULEのカヴァー「more more more」では、一転してダンスチューンで客席を熱く鼓舞する。生音中心のバンドサウンドから、打ち込み主体のデジタルミュージックまで。序盤から彼女が「頭のてっぺんからつま先まで音楽人」であることを表すような展開が繰り広げられた。

「Uターン(我が家)」「九州育ち」と、故郷・熊本に想いを馳せるナンバーを綴った後、キャリアを代表するバラード「雨(ロック・ヴァージョン)」へ。切なさもまた、彼女の音楽の魅力のひとつ。その歌声に、誰もが心を震わせていた。シンガー・森高千里の真髄が発揮された、息遣いさえ伝わるような熱唱だった。

続いて、イギリスを訪れたときの映像を上映しながら歌った「Tony Slavin」。アルバム『PEACHBERRY』に収録されていた佳曲だ。90年代後半の彼女のアルバムには、自身の作詞・作曲による宝石のようにキラキラしたナンバーが幾つも収められていた。感慨深くステージを見つめる聴衆の姿から、35年間の歴史の重みがうかがわれた。

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