2022.09.19 公開
【オフィシャルライブレポート】SKY-HI、BE:FIRST、Novel Coreらが一堂に集結!「BMSG FES'22」で3万人を魅了

「BMSG FES'22」の様子(写真:ハタサトシ)  画像 1/5

マルチな形で音楽シーンに新しい風を起こしているSKY-HI(日高光啓)。その彼は、世界を、そしてエンターテイメントをコロナ禍が襲った2020年09月に、「才能を殺さないために」マネジメント/レーベル会社「BMSG」を立ち上げた。そして「世界で活躍するボーイズグループ」を発掘するため、私財を投じてオーディション「THE FIRST BOYS GROUP AUDITION 2021」を開催。そのサバイバルの中から、7人組ダンス&ボーカルグループ「BE:FIRST」(SOTA、SHUNTO、MANATO、RYUHEI、JUNON、RYOKI、LEO)が2021年8月に誕生し、その実力の高さとたゆまぬ努力によって、ボーイズダンス&ボーカルシーンの中で中心的な存在となっている。

また、オーディションの中で音楽的才能を見いだされたAile The Shota、edhiii boi、トレーニーとして研鑽を積むRAN、REIKO、RUI、TAIKI。そしてBMSGの立ち上げ時からレーベルに所属し、キャリアを重ねるラッパーのNovel Core

その総勢15人によって構成されるBMSGのメンバーが集結した、レーベル開設から2周年を記念した主催野外フェス「BMSG FES’22」が、9月17日と18日の二日間に渡り、山梨県「富士急ハイランド コニファーフォレスト」にて開催された。本稿ではその1日目を中心にレポートする。

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「新章突入」というこのイベントのキーワードや、「これは全て、今後への壮大な前振りにすぎません」というSKY-HIの言葉など、BMSGの大きな節目となることを予感させる「BMSG FES’22」。そのイベントを目撃しようと、日本全国から2日間で約3万人のオーディエンスがコニファーフォレストに集い、その物語の展開に注目する。またスタート前のアナウンスでは「このイベントは3時間を超えます」と発表され、会場からは驚きと期待の拍手が起こる。

そして和太鼓のSEが流れ、それに合わせて起こる観客の手拍子に導かれるように、スクリーンには和を基調にしたビジュアルで撮影された15人のメンバーの映像が映写され、更にその手拍子の音は大きくなっていく。

そしてライブはBE:FIRST「Brave Generation」からスタート。BE:FIRSTがZOZOマリンスタジアムにて、初めて有観客の前でステージに立った「SUPERSONIC 2021」から1年を迎える日に行われるこのフェス。そこでのBE:FIRSTは、この1年で高め続けてきたパフォーマンス能力を全解放するような気迫のこもったステージを最初から見せ、観客にその成長を提示する。そのままNovel Core、Aile The Shota、edhiii boi、RAN、REIKO、RUI、TAIKI、そしてSKY-HIがステージに登場し、BMSGフルメンバー15人での「Brave Generation -BMSG United Remix-」で、ライブのテンションは冒頭からトップギアに。客席内を走るトレーラーにメンバー全員が乗り込み、観客により近い形で披露された「Snatchaway」の「こんなイケてるチームなんざ他にない」という言葉や、「ナナイロホリデー」の「歓びにあふれてる」という歌詞は、BMSGメンバーの、そして会場にいる全てのリスナーの感情を代弁しただろう。

ライブのメインアクトはNovel Coreに移り、「JUST NOISE」や「BABEL」をソロで披露。現在21歳ながら、ティーンエイジャーの頃から作品をリリースし、BMSGに移籍してからは「A GREAT FOOL」、そして今年8月には「No Pressure」とコンスタントなリリースを続け、その才能を開花させている彼らしい、タイトかつエネルギッシュなライブで観客を沸かせる。そして「まだ前半戦だろ!踊れるかい!?ここで大親友を呼び込もう!」という言葉で呼び込まれたAile The Shotaとともに「HAPPY TEARS feat. Aile The Shota」をステージの張り出しで二人でエモーショナルに歌い上げ、そのコンビネーションの良さをリスナーに届けた。

その空気を切り裂くように、15歳にしてハードなラップを聴かせるedhiii boi、そして密度の濃いラップが印象的なSOTA(BE:FIRST)が登場し「118」。Novel Coreも細かくフロウしていくラップをビートに刻み、3人のラップがスパークするようなパフォーマンスを見せる。そのままedhiii boiがステージに残り、TAIKI、RUIが登場し、BMSGの15歳チームで「Anytime, Anywhere」「Nightmare」を披露。この日を「夏の集大成じゃん!」と振り返る、SKY-HIのツアーにも帯同した3人は、軽やかさとハードさの両面を表現したライブで、チームのこの先を十二分に期待させた。

3人がステージを降りると、ランウェイにはTHE FIRSTの最終審査「クリエイティブNEO」でSOTA(BE:FIRST)、MANATO(BE:FIRST)、Aile The Shotaが結成したユニット「Show Minor Savage」が登場。「No Cap Navy」に加え、新曲となる「Thinkin' bout you」をパフォーマンスし、特に「THE FIRST」オーディションから追いかけているファンを大いに喜ばせた。

そのままAile The Shotaがメインとなるライブパートへ移行し、「常懐」や「Like This」などを丁寧に歌い上げ、その甘やかな歌声でオーディエンスを魅了。「俺にとってBMSG、そして仲間は誇りです。そんな存在、居場所を新しい次のステージに連れて行くのは俺です。今に見ておいてください」という力強いメッセージから、「IMA」や「AURORA TOKIO」に展開し、その言葉を証明するようなアーティストとしてのポテンシャルを、パフォーマンスとして形にした。

そしてステージにはSKY-HI、JUNON(BE:FIRST)、LEO(BE:FIRST)、Aile The Shotaの「寅年生まれ」の4人が登場し、新曲となる「Tiger Style」。そのままSKY-HIがステージに残り、BMSGへの思いや、エンターテインメントを担う決意を楽曲に込めたメッセージが印象的な新曲「I am」を披露した。そしてステージにはSKY-HIの2014年に結成したハウスバンド「THE SUPER FLYERS」が登場し、「スマイルドロップ」「愛ブルーム」と、ド派手なセッションで観客を圧倒、観客の熱気は最高潮へ。また違った意味で観客を圧倒したのは「何様」だろう。そのシリアスな内容と鬼気迫るパフォーマンスに観客は手を振ることすら忘れ、SKY-HIの「飛べるか!」という言葉があるまで、魅入られたように彼を見つめる姿は、SKY-HIのライブならではの光景だろう。

そして「Double Down」で発射された水しぶきで、観客同様びしょ濡れになったSKY-HIは、Aile The Shotaを呼び込み「Bare-Bare」、RANを迎えてタオルを会場一体となって振った「Tumbler」、スクリーンに写った1年前に撮影されたMVとはティーンエイジャーチームの顔つきとパフォーマンスがガラッと変わったことも印象的な「14th Syndrome feat. RUI, TAIKI, edhiii boi」、REIKOのソウルフルな歌声が会場に響きわたる「One More Day feat. REIKO」と、コラボ楽曲を連続披露し、この日のフェス感をより高めていく。BMSGの結成直後に発表され、MVは富士急ハイランドで撮影されたことからも、楽曲自体がこの日のフェスへの伏線でもあったNovel Coreとの「SOBER ROCK -Remix- feat. SKY-HI」では、SKY-HINovel Coreが目を合わせながらパフォーマンスを展開。その友情の深さと、有言実行ぶりを感じさせる。

「昔は誰も認めてくれないと思っていたときもあった。でも今日ですべてが報われた気がする。あなた達と出会えて本当に嬉しい。命を賭けて俺がお前を応援するぜ!」とオーディエンスに呼びかけ、SKY-HIパートのラストは「To The First」のパフォーマンス。人差し指を立てたSKY-HIにピンスポットがあたり、その姿に大きな拍手が巻き起こる。

その拍手に送られるようにSKY-HIとTHE SUPER FLYERSがステージをあとにすると、明かりの落ちたランウェイにはBE:FIRSTの7人の姿が浮かび上がる。そして曲のラストバース「その炎を燃やせ」という言葉をJUNONが受け継ぎ、BE:FIRSTのライブは「Shining One」で幕をあけ、横一列に並んだメンバーも、高々と人差し指を掲げた。

「もう新人アーティストとは言わせません!新章突入の目撃者になってください!」というRYOKIの言葉から、ヘヴィなビートとRYOKIとSOTAのラップの絡み合いも印象的な「Move On」、JUNONとRYUHEIのアーティストとしての著しい成長を感じる「Betrayal Game」、深みと芯を増したSHUNTOのヴォーカルと、「他人に価値を決きめさせやしないぜ」というLEOのメッセンジャーとしての魅力、そしてそれらを統合させるようなMANATOの伸びやかなフックが響く「Scream」とライブは彩り鮮やかに展開。

「いろんなフェスで披露させていただきましたが、このBMSGフェスで一番盛り上げましょう!」というMANATOの言葉に続いて、UKのプロデューサーであるジョナス・ブルーとのコラボ曲「Don't Wake Me Up feat. BE:FIRST」、そしてライブ初披露の「Message」では再びトレーラーに乗り、感慨深げに会場の観客に視線を合わせながら歌う7人の表情が記憶に残る。

「僕らを信じてください。みなさんがいれば僕らは怖くない。世界は僕らを待っています」というRYUHEIの言葉と、「本当に夢に見たこの場所に、現実にここに立てているのは、一歩踏み出した僕と、導いてくれたファン、そしてスタッフのおかげだと思います」と感謝を口にするJUNON。そして「Grateful Pain」の曲間では、「僕たちじゃなきゃできない挑戦をやっていくので、僕たちについてきてください」と涙を堪えながら話すSHUNTOの言葉に続き、「前が見えない時もあった。でも目の前がまっくらでも僕らは突き進みます」というSOTAの言葉に、会場全体を輝かすようなスマホライトの光で、観客は応える。そして「一人ひとりが主人公である人生が、こうやって共有できるのが本当に嬉しい。BE:FIRSTBMSGのファンの皆さんの人生に寄り添っていきます。また会う日のために」というLEOの言葉に続いて披露された、ストリーミングは1億再生を突破し、現在のBE:FIRSTの代表楽曲である「Bye-Good-Bye」で、更に会場全体の感情は昂まっていく。

【オフィシャルライブレポート】SKY-HI、BE:FIRST、Novel Coreらが一堂に集結!「BMSG FES'22」で3万人を魅了「BMSG FES'22」の様子(写真:ハタサトシ)  画像 4/5 【オフィシャルライブレポート】SKY-HI、BE:FIRST、Novel Coreらが一堂に集結!「BMSG FES'22」で3万人を魅了「BMSG FES'22」の様子(写真:ハタサトシ)  画像 5/5

ラストは彼らの原点である正式デビュー曲「Gifted.」。以前の姿よりも確実にビルドアップした、ダンスボーカルグループとしての凄みを見せつけるような圧巻のパフォーマンスで、BE:FIRSTのライブパートは幕を閉じた。

そして再びステージにBMSGメンバー15人が上り、SKY-HI がそれぞれのメンバーの名前を読み上げ、「これが新章突入!」と宣言。この日のライブ終了後にサプライズリリースされた、BMSGメンバーがユニットの壁を超えてコラボを展開するBMSG ALLSTARSとしての新曲「New Chapter」で、この日のライブを締めくくり、楽曲の披露が終わると会場には花火が上がり、この日の成功を祝った。そして会場からの万雷の拍手に送られて、BMSGの15人は手を振りながらステージをあとにした。

そして、台風14号による荒天も予想されたDay2。しかし、開始時には雲の切れ間から日がさすなど、天気も味方しての開演となり、SKY-HIの「晴れ男」ぶりには驚かされた。

Day2のセットリストはDay1を踏襲する形で構成され、そこからも今回のライブ、そして楽曲とパフォーマンスに対するBMSGの自信と意気込みが感じられる。また今回のオープニング映像が、18日0時に解禁されたBMSG ALLSTARS「New Chapter」のMVに繋がっていたことも明らかになり、謎解きのような展開はリスナーに驚きを与えたことだろう。

Day1と同様、リスナーの心を掴んで離さないエンターテイメント性に溢れた内容で進行していくDay2。同時に、「ずっと前から富士急でフェスをやるのが運命だったんじゃないかと思う。そしてその運命の日が今日だ!」というSKY-HIの言葉や、登場とともに降り出した雨が、パフォーマンスにさらなるドラマティックさを加えたBE:FIRSTのライブなど、同じ構成であっても、「同じ内容」のライブは二度無いと感じさせるような、随所に変化を感じさせたこの日。そのライブは、フルメンバーが登場し、各人のソロパートとユニゾンでのダンスを通して、メンバーそれぞれのオリジナリティとBMSGの絆の深さを表明する「New Chapter」で終幕。SKY-HIBMSGメンバーの名前を読み上げ、その上で全員で「WE ARE BMSG!」と高らかに宣言し、それに続いて「今日のMVPはここにきたお前だ!お互い最高の人生を送ろう!」とSKY-HIはオーディエンスに呼びかける。

各日とも51曲、そして3時間半以上に渡るライブを通して、SKY-HIの、BMSGの、そして所属メンバーの「イズム」がパフォーマンスとして結実させた「BMSG FES’22」。世界を視野に入れる彼らの目標は、決して夢物語でないこと、そしてその躍進を確かなものだと感じさせる、感動的なイベントは、こうして幕を閉じた。


文:高木"JET"晋一郎
写真:ハタサトシ

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