2022.09.09 公開
西川貴教、2ndアルバムを引っ提げたライブツアー完走

Photo by CHIE KATO(CAPS)  画像 1/4

F.L.E.I.「走馬灯は、過去の記憶の検索といえるんじゃないかしら」

西川「そういうことか、なぜ人は走馬灯を見るのか。記憶は選択の痕跡だとF.L.E.I.は言った。例えば、命が危険に晒された時、どう対処し、どう回避すべきか。また過去に同様の経験をしたか否か。脳内でそれを必死に探ってるんだ、乗り越える方法を。走馬灯とは過去の記憶をデバック(※コンピュータプログラムのバグを特定して取り除き、動作を仕様通りに修正すること)する行為なんだ」

F.L.E.I.「人は遺伝子レベルで生きることを諦めない生き物。その命はギリギリまで乗り越える術を探り続ける戦闘の種族。眠りという短い修正と適正化を繰り返し選択を重ねてゆく。それが、過形成のprotoCOL」

1曲目の背景に映っていた巨大な怪物それに対峙する西川は、これを意味していたのだろう。つまり、コロナ禍に経験した辛く苦しい記憶さえも、次のステージで戦うための大いなる武器となることを示しているのだ。

西川貴教、2ndアルバムを引っ提げたライブツアー完走Photo by CHIE KATO(CAPS)  画像 3/4

続いて先ほどF.L.E.I.によって中断された「一番光れ!-ブッチギレ-」が再びプレイされると、「一番光れ!(ブッチギレ)誰より高くへ」という歌い始めの言葉にさらに大きな意味が感じられる。そして次のステージに向かって走り続けることを歌う「Life’s Anomalies」をプレイ。

そうして、人間の記憶について西川が出した答えはこうだ。 「コピー&ペーストではない、オリジナルの無限増殖。無数の西川貴教が集まり、ひとつの西川貴教を形成する。それぞれの魂を持ち、集合体としても同じ意識を共有する。さらにそれが結びつきリンクすることでより強い力を成す」「時間も次元をも超越した、無尽蔵のエネルギー」であると。

この言葉には、これまでの経験や出会いのひとつひとつが「記憶」となり、その「記憶」の増殖が前進する力になるのだという、西川が体現してきた人生哲学が盛り込まれていた。

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