Psycho le Cému『RESISTANCE~領域拡大~』最終公演の様子(PHOTO:青木早霞) 画像 4/7
Psycho le Cému『RESISTANCE~領域拡大~』最終公演の様子(PHOTO:青木早霞) 画像 5/7
センターでダンスするAYAとYURAサマが振りまくアイドル性とスター性。ここまでのキラキラした輝きは、間違いなく特筆に値する。ただしここで強調したいのは、ロックバンドとして音楽を創り、ミュージシャンとしてステージでパフォーマンスしている土台の上にその個性があるという点だ。
静寂に満ちた深海か宇宙空間を彷彿とさせるようなSEを切り裂くように「Mind Core」が始まる。「至福の時に包まれた日々、雨、憂、降る夜にさよならを」というLidaの言葉の後にseekが「行くぞ、LIQUID!」と吠えたて、オーディエンスが力強く応える。いつもキュートなAYAがギターソロで男前なところを見せ、さらにノリノリでLidaに絡んでいった。ライヴを楽しんでいる気持ちが手に取るように伝わってくる。
ライヴ前半の張り詰めていた空気が動き出すように、躍動感あふれる「ノスフェラトゥ」。YURAサマの小気味いいリズムに流麗なメロディが流れる。ロックバンドらしいカッコよさを見せつけた後にラップを散りばめた「one day」と、幅広い曲調も彼らの手にかかればどこまでもナチュラルに続く。
「アカツキの旗のもとへ。旗を掲げろ!」
seekの言葉から始まった「Murderer・Death・Kill」でフロアに登場するのは、赤い旗。ステージは赤く照らし出され、会場内の空気がどんどん高揚し、狂気が満ちていくよう。「LOVE IS DEAD」でオーディエンスのノリはますます激しさを増し、会場は熱気に包まれる。
高まった熱が、「愛の唄」で温かいぬくもりに変わる。会場いっぱいに光が満ち、幸せな空気が広がっていく。AYAもYURAサマも笑顔がこぼれ、ノリノリで楽しむLidaにseekがじゃれつく。そんなメンバーをみつめるファンが笑顔にならないはずはなく、Psycho le Cémuは本当に笑顔が似合うバンドだと改めて思った。
Psycho le Cému『RESISTANCE~領域拡大~』最終公演の様子(PHOTO:青木早霞) 画像 6/7
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「もう一度行こうぜ」という言葉で始めた「アカツキ」を、歌詞を噛みしめるように歌うDAISHI。自分たちの世界を取り戻そうと高らかに歌うこの曲は、コロナ禍でたくさんのものを奪われた自分たち自身やファンを鼓舞し、前へ進み続ける勇気をくれる。そんな進行形のPsycho le Cémuを示すように、新曲「もう一度、くちづけを」を最後にプレイ。ラテンのリズムに乗せた大人の色香漂うこの曲をツアーで育て、さらに進み続ける未来までも匂わせ、「世界が終わる夜まで変わらぬ愛を…」というメッセージを残して本編が終了した。