感傷的なムードをかき消すような、 ギターの高速カッティングと共に始まったのは「My Private Jealousy」。 TAKUROの熱いコーラスが印象的な「ROSY」を経て「夏音」では、 風鈴の音とストリングスシンセによる清涼感が、 うだるような酷暑が続く日常をしばし忘れさせてくれる。 今年9月21日にリリースされる最新シングル収録楽曲「クロムノワール」は、 テレビ東京『WBS ワールドビジネスサテライト』の新しいエンディングテーマに書き下ろされたものだ。
GLAY(※提供写真) 画像 3/3
ここからは後半戦。 「ヤバイ!ヤバイ!」というフレーズと共に始まった「百花繚乱」は、 TAKUROによるラップをフィーチャーしたメッセージソング。 「オーケー幕張! もっともっと熱くいこうぜ」というTERUのシャウトと共にたたみかけたのは、 こちらも同じく9月発売のシングルに収録される「GALAXY」。 ステージの左右に張り出した花道をメンバーたちが縦横無尽に動き回り、 オーディエンスもそれにハンドクラップやジェスチャーなどで精一杯応えている。
「SHINING MAN」の間奏では、 ファンクラブの人気企画「あなたはどっち派」がスタート。 「『GLAYがフェスに出る派』がいい人は(事前に配布された紙の)赤い方を、 『GLAYがフェスをやる派』がいい人は青い方を見せてください」とHISASHIがファンに呼びかけると、 会場はほぼ青色で埋め尽くされることに。 「これはもう、 やるしかないですね。 2024年にGLAYフェスを開催します!」と高らかに宣言すると、 会場からは大きな拍手が巻き起こった。
ラストスパートはGLAY流のポストパンクナンバー「ビリビリクラッシュメン」から始まり、 コロナ前はシンガロング必須だった人気曲「ピーク果てしなく ソウル限りなく」、 そして23年前の「GLAYの日」にアンコールで演奏した「BURST」と、 ファンにとって特別に思い入れの深い曲を惜しみなく披露し本編は終了。 アンコールでは、 ファンクラブの会員への感謝を込めた書き下ろしの新曲「We(ハート)Happy Swing」を含む4曲を演奏。
「今回は本編、 MCなしでドドドっと音楽だけを届けました。 『HAPPY SWINGER(GLAYファンのこと)』のみなさん、 25周年は僕らもですが、 みなさんもおめでとうございます」とTERUが挨拶すると、 会場からは大きな拍手が。 「『HAPPY SWING』は僕たちだけのものではなくみんなと共有する、 そんなファンクラブだと思っています。 これからさらに5年、 10年と続けられたら、 また素敵な景色が見られるんじゃないかと」と、 未来への希望を語った。
さらにTAKUROが、 「思えば右も左も分からない中で、 ファンクラブとはなんだろう?ということを、 ずっとスタッフと考えながら歩んでまいりましたが、 今日その意味がよく分かりました。 こんな大変な状況ではあるけれども、 GLAYのファンクラブのために『ちょっと観に行ってやろう』というみんなの思いがステージまで存分に届いた、 それが『HAPPY SWING』の意味なのだということを教えてもらいました。 ありがとうございました!」と、 彼らしい言葉でお礼を伝え、 オーディエンスがスタンディングオベーションを送る中、 彼らはこの日のライブを締めくくった。
取材・文=黒田隆憲
写真=田辺佳子
