2017.05.13 公開
【ライブレポート】MUCCが地元・茨城県で成人式開催!「今日まで関わってくれたすべての人達に心から、心から感謝を———。ありがとう」

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Photo by 西槇太一

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初めてライヴをした1997年5月4日から、地元である茨城水戸ライトハウスを中心に活動を始めたMUCCは、2017年5月4日に20回目の誕生日を迎えた。



彼らは、バンド結成から20周年という節目のライヴを行うため、地元である茨城県立県民文化センター大ホールを選んでいたのだが、それは、単なる凱旋公演ではなく、20年という歴史を築いてこれたMUCCというバンドの現在と、自らの過去を対面させるための特別な想いからだったのだ。

彼らがここに立つのは2007年11月25日の10周年記念ライヴ『MUCC 10th Anniversary Memorial Live"家路"』以来、実に10年ぶりであった。

当時は、オープニングに『残酷な天使のテーゼ』を用い、『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジ役である緒方恵美氏の影アナで意表を付くなど、何かとサプライズを仕掛ける彼ららしい演出はあったものの、子供の頃から在った憧れの地元大ホールでのライヴということもあり、等身大の自分たちで向き合った純粋な凱旋公演だった。

そこからさらに10年。オーディエンスを楽しませる技量が増した彼らは、確実に“この日、この場所でしか出来ないライヴ”を残したと言えるだろう。

10分押しで始まったライヴは、会場備え付けの開演ブザーを合図に、緞帳がゆっくりと上がるというクラッシックなオープニングからスタートした。頭から暴れる覚悟で構えていたオーディエンスにとっては、少し拍子抜けな始まり方であったことだろう。

しかし、緞帳の向こうに見えて来たのは、ナント、教卓と4つ並んだパイプ椅子と、天井から吊り下げられた【MUCC成人おめでとう】と書かれた看板だったのだ。そう。彼らはこの日のライヴを成人式に見立てていたのである。メンバーの思惑を察したオーディエンスは、その光景に“おめでとう”の言葉と拍手を贈った。

影アナによって呼び込まれた紋付羽織袴姿の逹瑯(Vo)、YUKKE(Ba)、SATOち(Dr)、は静粛にステージに並ぶも、ミヤ(Gt)はド派手な羽織袴姿で場内から遅れてプロレス入場し、あげくステージによじ登るという、昔ヤンチャだった頃そのままを再現した演出でオーディエンスを楽しませた。

この成人式には、水戸市マスコットキャラクター「みとちゃん」から納豆の贈呈や、“MUCC村の村長”としてムック(ひらけ!ポンキッキ)から祝辞がのべられたのだった。



 

【ライブレポート】MUCCが地元・茨城県で成人式開催!「今日まで関わってくれたすべての人達に心から、心から感謝を———。ありがとう」  画像 2/6Photo by 西槇太一


成人式を終え、いよいよライヴの本編がスタートした。その始まりは「アカ」。紗幕の向こうで奏でられる彼らの初期曲にオーディエンスは聴き入った。2曲目に置いた「ファズ」へと曲が移ると、ナント、ミヤとYUKKEがステージ後方から勢い良く飛出し、逹瑯がステージ下からゆっくりと迫り上って登場したのである。

意表を突かれたオーディエンスはさらに大きな歓声を寄せた。「アカ」でダミーを立て、裏で本人たちが演奏をしていたというカラクリだったのだ(※SATOちは移動不可能な為ダミーではありません)。

とにかくオープニングから遊び心満載でオーディエンスを楽しませたMUCCだったが、この日は過去曲だけを中心に届けていくというノスタルジックなものでもなく、最新楽曲と、普段のライヴではあまりやることのない旧曲たちを実に上手く構成したセットリストで“現在のMUCC”を見せつけてくれた。

この日、特別な演出で魅せたのは「砂の城」。ゲストキーボーディストの吉田とおるのピアノ伴奏と、ミヤのアコースティックギターに乗せて届けられたこの曲は、激しくディープな音を放つパブリックイメージからはかけ離れた、実にフォーキーな雰囲気で唄い上げられたものだったが、これぞ彼らが原点、サウンドと同じく重んじる歌詞に用いた言葉の運びの美しさが、しっかりと聴き手に届いた時間であったと言える。



 

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