2022.07.11 公開
【ライブレポート】INORAN「ここは自分のオアシス」、アルバム発売記念アコースティック・ツアー開幕

「INORAN IN MY OASIS Billboard Session」の様子 Photo by 田辺 佳子  画像 1/4

最後はストレートなメッセージが伝わる「Thank You」を届けるという選曲。終盤でステージ背後の幕が左右に開いて全面ガラスの向こうに六本木の夜景が露わになり、Billboard Live TOKYOならではの眩い光景が広がっていく。穏やかで幸福な空気感の中で公演は幕を閉じた。傳田を再び呼び込んでメンバー全員を一人一人改めて紹介し、「今日は皆さん、来てくれて感謝しています。本当にどうもありがとうございました!」とINORANが代表して観客に挨拶し、ラインナップした全員で深く礼。メンバーを拍手で送りだした後、一人残って改めて挨拶すると、笑顔でステージを去った。

25周年というアニバーサリーのタイミングで、INORANがこのアコースティック・アルバムを生み出したことの意味は、想像以上に深く大きい。曲ごとに新解釈を楽しめる多彩なアレンジはINORANの個性とセンスの結晶。25周年にしてヴォーカリストとして進化を遂げ、次章への突入を感じさせる歌声は驚異的ですらある。ステージ上では多くを語らなかったが、LUNA SEAの30周年ツアーもパンデミックに見舞われ多大な影響を受けたこと、かつ、声帯に不調を抱えながら格闘していたRYUICHIをINORANが熱いコーラスで支えていたことも、INORANのヴォーカリストとしての深化に色濃く反映されているのは無視できない。INORANの紡いで来た音楽人生がまたひとつの形として結実した、ドラマティックな名盤なのである。東京公演を終え、7月27日(水)・28日(木)にBillboard Live YOKOHAMA、8月2日(火)・3日(水)にはBillboard Live OSAKAへと、旅は続いていく。一度このライヴを体感したら、「もう一度観たい」と多くの人が願うだろう。2022年の最新のINORANの姿を、是非体感してほしい。


ライヴ撮影:田辺 佳子
取材・文:大前 多恵

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