2022.05.24 公開
【ライブレポート】L’Arc~en~Cielが結成30周年イヤー完走!東京ドーム2Daysで迎えた感涙のフィナーレ

L'Arc~en~Ciel「30th L'Anniversary Starting Live “L'APPY BIRTHDAY!”」Day2の様子  画像 1/22

【ライブレポート】L’Arc~en~Cielが結成30周年イヤー完走!東京ドーム2Daysで迎えた感涙のフィナーレL'Arc~en~Ciel「30th L'Anniversary Starting Live “L'APPY BIRTHDAY!”」Day1の様子  画像 12/22

観客がブルーに戻したライトの海の中で「Blurry Eyes」を終えると、「GOOD LUCK MY WAY」をエネルギッシュにパフォーマンス。スクリーンにはメンバーの、おそらくオフショットであろう姿も交えた過去の貴重映像が映し出されていく。様々な出来事に立ち向かいながら、走り続けてきた30年という歴史に自然と思いを馳せてしまう演出だった。「次、最後の曲です」と語り始めたhydeは、「今日一番のクライマックスは、ウェーヴが帰って来たところ。『かわいい、さすが!』と思った。本当にうれしかった」とファンを誇りに思っている様子。感染防止対策に努めながらのツアーだったことを振り返り、観客に改めて感謝を述べた後、メンバーが感染せずに完走できたことにも「よく頑張りました」と労い、メンバーは笑顔を見せた。「ここまでの30年、様々な困難があってね。戦ったり交わしたりしながら、山あり谷あり、皆がいてくれなかったらとてもじゃないけどできなかった。こんな綺麗な景色、辞めてたら見られなかった」と、継続の尊さについて想いを述べていく。「虹って言うのは、雨が止む時にできるでしょ?」との言葉から、最後は「虹」を披露。ヴィジョンには大きな虹が描き出されていて、七色に分けられた帯状の照明がステージから観客へと伸びていく。大きな虹の中に会場中の全員が溶け込んで一体化していくような、圧倒的な美しさだった。自撮り棒を手にInstagram LIVEをしながら、tetsuyaは端から端へと動き回ってファンに挨拶。「ありがとう! まった明日ね~!」と手を振ってステージを去った。虹の中で幕開け、虹の中で幕を閉じる。初日公演を振り返って、東京ドーム公演に彼らはそんなセットリストを選んだのだ、と気付いた。

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Day2も初日同様「ミライ」で幕開け。「Lies and Truth」まで勢いよく駆け抜けると、一瞬の静けさの後、重厚なストリングスサウンドが響き渡った。Day1の「叙情詩」に代わり披露されたのは「瞳の住人」である。美しくも複雑に乱高下する歌のメロディー、一音一音が奥行きたっぷりに響くサウンドに陶酔。初日より1時間早い開演で、かつ快晴だったため天井からは日光が差し込んでおり「まだ明るいですね、外は」とhyde。「だんだん大人の時間になってくるよ?」と語り、「X X X」の世界へと誘っていく。射すくめるような鋭い眼差しで曲が終わり、静寂の後に始まった「fate」の表現は、初日以上にも増して凄みに圧倒された。終わりの見えない争い、分からなくなっていく真実。時代に翻弄されながらも愛を貫く人物の想いが、原曲とは節回しを少し変えたエモーショナルな歌唱と、抑えきれないほどの昂りを感じさせる演奏から熱く迸っていく。美しくも壮絶なパフォーマンスの名残の中、続いて披露された「finale」は、より重厚でシリアスな表現になっているように感じた。初日以上に深い水底に沈むようなダークなパートがあってこそ、「MY HEART DRAWS A DREAM」で紡がれるkenのギターソロ、やがて浮上して浴びる眩い光のイメージは、その対比で一層鮮やかなものになっていた。優しいタッチで絵筆を置くような、ゆったりとした優しい歌声を響かせたhydeは、「TOKYO、ハミング!」とシャウト。yukihiroのキックが刻むリズムとピアノをガイドラインとして、ファンは控え目にハミング。イヤーモニターを外して耳を傾け、kenは顔をほころばせた。もっともっと!と煽るように手を動かすtetsuya。ハミングから得たパワーを声に注ぎ込んだかのように、伸びやかなフェイクを交えながらhydeは歌い終えた。

「Pretty girl」では持て余すように長い脚を台に乗せ、ノリに乗ったプレイを見せたken。「いばらの涙」では、tetsuyaのハイトーンコーラスが圧巻。黒いグローヴをしてマイクを握り締めて絶唱するhydeの両手は、祈りを捧げているかのように見えた。「Shout at the Devil」のラスト、高速で腕を大きく動かす渾身のプレイを見せたyukihiroは、まるで阿修羅の化身のよう。この2日間はメンバーが歌に、演奏に、曲の世界に深く没入する姿が多々見られる公演であり、それこそが実は、L’Arc~en~Cielというバンドが30年という長きにわたって第一線を走り続けているシンプルな理由ではないか?とも感じた。

ark号でサブステージに到着した4人。ファンがバットマラカスライトを切り替えて曲に合わせて色を選ぶのだが、「次の曲は何色か? この曲はもう、これしかないんじゃない?」とhyde。青系が2色あるということで「水色にしようか」とhydeは色をあらかじめ伝えると、透明な傘を開き「雨が降って来た」と手をかざす。オーディエンスのざわめきの中始まったのは「Singin’ in the Rain」。『HEART』(1998年)収録の人気曲だが、以来ライヴ披露の機会はほぼなかったレア曲である。ジャジーなフィーリングと艶やかなサウンド、洗練されたアンサンブル、柔らかな歌唱。「僕は雨が好きなんで。家にいると、とても心が洗われる。音も好き」と語ったhydeは、「この曲で(雨を)少しでも好きになってくれれば」と語った。「LOST HEAVEN」は、「歴史を感じるような歌詞の内容だったので」と述べ、このライヴに向けたファンによるリクエスト投票でも「比較的上位やったのと、この雰囲気に合うかなと思って選びました」とのこと。また、「星空」を披露する前のMCには、Day1よりも明確に「平和を願って」との言葉を加えていた。エレキとアコースティックのハイブリッドであるアコースタソニック ストラトキャスターでkenが爪弾く音色は、切なさと希望の両方を宿したような、繊細な奥深さ。4人は、ファンが灯す光の大海に浮かぶ小さな島のようなサブステージで、大きな夢を奏でていた。<目覚めたら変わっていると良いな 争いの終わった世界へと>――切なる願いを乗せた美しい音楽が、美しい光景とともに、いつまでも心に残り鳴り響いた。

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「FOERVER」に至るWAVE GAMEでは、座席エリアごとのライトの色分け指示を、初日で学習したファンが的確に読み取ったのか、虹色にブロック分けされた状態での美しいウェーヴが実現。眩い光景が広がった。「予感」から「Blurry Eyes」へ入るところで珍しくyukihiroが演奏を間違え、何度も頭を下げて平謝りするレアな場面も。「今何があったの?」とhydeは驚き、メンバーもファンも楽しそうな笑顔。再度スタートし直すと、よりリラックスした明るいムードが会場を満たしていった。ブレイクではtetsuyaが、虹色のウェーヴを振り返って「さっき虹っぽくなってたよね? すごいね。『すっごい綺麗やな』って見惚れてたら、演奏間違えました(笑)」と告白。「皆さんご存じ?」と語り掛けると、L’Arc~en~Cielはフランス語で虹を意味すると説明しながら、「こういうことができるのも、L’Arc~en~Cielっていう名前があるからじゃない? つけてよかった」と命名者としての喜びを語った。「30年も愛され続けるバンドになれてうれしいなって。皆、一回しか言わへんから聞いて? L’Arc~en~Cielを好きになってくれてありがとう!」と叫んだ。

ファンの灯す光が輝く会場を見つめながら、hydeは「どうもありがとう、すごいいい眺めだね!」と感慨深そうで、「この光はただの光じゃなくてね、一つ一つがそれぞれいろんな背景があってね、ここまで辿りついた光なので、ただの光と違うんだよね。そこがまたこう、胸に刺さるというか、ここまで来てくれてね……うれしいなと思って。また遠くへ帰っていくんだろうと思うんですけど、それぞれの光がね。でもこうやって5万人が集まってるというのが、もう既に感動的でね、いい眺めです。本当にありがとう」と感無量な様子。「この30年、いろんな出来事がありまして。ここまで来るにはなかなか、奇跡的ないろんなものが重なってね、いろんな人に助けられて、皆努力しながら辿り着いた。そして皆がいたから、ここまで辿り着けたと思います」と平坦ではなかった道程を振り返った。

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更には「辛い時に辞めてたら、悲しい記憶だけ、悔しい記憶だけ残るけど、乗り越えると、こういう素敵な景色が待ってたんだなと思ってね。それも皆がいてくれたから、支えてくれたからだなと思います。連れてきてくれてありがとうございます!」と挨拶。「この30周年、1年ライヴしてきましたが、世界的にもすごく大変な時に重なってしまって……僕らも皆も大変だったんですけど、虹っていうのは、雨が止む時にできるんですよ。最後に『虹』を聴いてください。どうもありがとうございました」との言葉から、曲がスタート。kenの奏でる、光が降り注ぐような慈しみ深いアルペジオ。地を踏みしめて真っ直ぐに歩き出すようなyukihiroの凛としたドラミング。hydeは涙ぐんで声を震わせているように思えたがしっかりと丁寧に歌い遂げ、tetsuyaのベースが温かく歌を包み込むように寄り添った。4人は最後向き合って音を止め、全曲の演奏が終了。「また会えるまで、皆元気で過ごしてください。次のライヴ、一緒に歌おうね!」と投げキッスを幾度も繰り返したhyde。一旦全員がステージから去り、再度戻って来たtetsuyaは初日同様スマートフォンで撮影しながら、最後「初めて言うけど……ホント、一回しか言わんからよく聴いてね? 皆! ラルクを好きになってくれてありがとう! まったねー!」と挨拶。一回しか言わない、と断りながらこの日だけでも2度熱く感謝を伝え、笑顔でステージを後にした。

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