2022.05.06 公開
T-BOLAN、全国ツアー3公演目が神奈川県民ホールで開催

T-BOLAN(※提供写真)  画像 1/4

1st MCの後は、「Bye For Now」をはじめ90年代のヒットナンバー5曲を惜しげもなく披露。活動休止中の青木に代わりツアー初参加となるドラムのTOSHI NAGAI(氷室京介ライブやGLAYのサポートドラムとして活躍)、復活後のツアーからバンドを支え続けているベースの人時(黒夢)と、コーラスの坪倉唯子(B.B.クィーンズ)といったサポートメンバーと作り上げる確固たるバンド・フォーメーションが無敵のサウンドを生み出していく。ギターヒーロー然とした五味孝氏のギタープレイを堪能できるのもライブならではの醍醐味だ。特に一聴して彼だと分かる泣きのギターは今回も格別である。
続いて、ニューアルバムに収録されたバラード曲「祈りの空」。全ての魂へのレクイエムと紹介されたこの曲。地球上で今起こっているさまざまな悲劇を弔い、祈りを捧げる、そんな慈悲深き生身の歌声が、会場の隅々にまで力強く響き渡った。

T-BOLAN、全国ツアー3公演目が神奈川県民ホールで開催T-BOLAN(※提供写真)  画像 3/4

T-BOLANは1999年に一度解散したけど、今こうして30周年を迎えました。支えてくれた全ての仲間たち、メンバー、スタッフ、そしてファンのみんなが待っていてくれてたのは大きい。30(周年)という大きい数字を聞いて、改めて沢山の力をもらっての今があるんだなっていうのを強く実感している。本当にありがとう。サンキュー。

感慨深げに語る森友に惜しみない拍手が送られた。そして、歌声を取り戻した森友に、尊敬する先輩ミュージシャンの近藤房之助が歌詞を贈った「声なき声がきこえる」、二十数年振りに帰って来たT-BOLANを温かく迎えてくれたファンに向けた、全ラブソングのアンサーソングの「ずっと君を」を披露。


T-BOLANの真骨頂とも言えるバラードセクションは、彼らの真価を象徴する特別な時間であることを改めて感じさせられる。
そしてこれまた彼らの代表曲の一つである「じれったい愛」のイントロでは、2015年にくも膜下出血を発症し、壮絶なリハビリの末に奇跡の復活を遂げたベースの上野博文が呼び込まれた。「神様にもらった2つ目の命。一番やりたいことはライブ。まだ全曲は弾けないけれど、一歩一歩上がっていく姿をみんなに見せよう。」そんな上野の意志やステージごとに進化していく姿が、今後も多くのオーディエンスを励まし、力を与えていくことだろう。


さて、ここでサプライズ。最新アルバムのジャケット写真に出演している、アルベルト・アインシュタインのひ孫世代にあたるマーク・アインシュタインがゲストで登場。もともと森友と釣り仲間だったという彼だが、アルバムの趣旨に賛同し、「愛の爆弾プロジェクト」に参加。この日も、アインシュタインが遺した「愛のメッセージ」をT-BOLANと共に届けたいと、自ら駆けつけてくれたのだ。

スクリーンに映し出された愛に溢れたメッセージ、「愛のために 愛の中で」。
世界が混沌とする今、愛こそが本当に必要としている物、そしてそれが子供たちの未来を作る。
許すこと、与えることからはじめよう、みんなが一つになるために。
青と黄色で彩られたライティングの中この曲をパフォーマンスすることで、その場にいる人たちその思いは十二分に伝わったことであろう。大きな拍手と共に会場全体が愛に包まれたのだから。

そして、ここまですでに何度もクライマックスを迎えたライブは後半戦へ突入し、ベテランでありながらこのバンドが今なお可能性に溢れた永遠のチャンレンジャーであることを証明した最新アルバムの曲をドロップ。スタイリッシュなサウンドに、森友の人生哲学を感じる歌詞が大きなインパクトを与える新曲たちは、ライブで観るとますますクールでかっこいい!! さらに本編ラストに向かって、自分たちの根源であるロック魂溢れる往年のライブ定番曲「傷だらけを抱きしめて」等、数曲一気に炸裂。バンドと客席が一体化し、終始途切れぬテンションでライブの理想郷を描き出していった。

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