TAKA:楽曲自体はドラマに引き続き作品に寄り添って作っていって、監督さんたちとディスカッションを重ねました。
杉山亮司(以下、杉山):自分たちの色と映画の世界観を落とし込むために細かい部分にもこだわっています。
YUICHIRO:挿入歌なので冒頭から印象に残るような曲にしようという方向性で。
杉山:イントロはデモの段階だと、ギターのフレーズだけだったのですが、シンセを足すことで冒頭からDEEP SQUADのイメージになるようにしています。劇中で流れた瞬間に狙い通りの効果が出ましたよ。
YUICHIRO:あとは〈Gimme Gimme Gimme〉というサビはキャッチーですが、可愛くなりすぎないように歌いました。音楽的なトレンドも入れたかったので、そのせめぎ合いもありましたね。結果として僕たちらしいサウンドに仕上がったかなと。
ーー歌い出しはDEEP SQUADの「Aメロ職人」こと、比嘉さんですね。
比嘉:そうです(笑)。爽やかでポップな印象付けが大事だと思っていたので、言葉の表情や語尾を意識しながらレコーディングしました。跳ねるイメージで歌っています。
宇原雄飛(以下、宇原):僕もリズムを意識して歌いました。この曲のバックコーラスは、特にメロディもカッコいいラインで入っていたり、DEEP SQUADらしさが分かりやすく出ていると思います。
KEISEI:リズムが跳ねている(16分音符でスウィングしている)ので難しいんです。平坦にやると合わない。UHとかAHだけでもキラキラさせないといけないし(笑)。
YUICHIRO:コーラスもDEEPの3人と新メンバー3人とで前後半で分けています。
杉山:曲の1コーラス目(1番)は新メンバーが主メロを歌っているので、お三方にバックに回ってもらいました。2番はそれを逆にして。
YUICHIRO:難しいこともいろいろやっていますからね。DEEP SQUADを舐めてもらっちゃ困りますよ(笑)。
比嘉:シングルに収録されるMain Less(インストとコーラスのみのバージョン)と聴き比べても楽しいと思います。
杉山:トラックもカッコいいのでそちらもチェックしてもらいたいですね。
ーーまたカップリングの「ヒトリゴト」はYUICHIROさんが作詞されたということで、リード曲とは対照的に切ない歌詞が特徴的でした。こちらについてはいかがでしょう?
YUICHIRO:歌詞にでてくる〈182.5日〉というのは365日の半分なので、恋人と付き合って半年の話になっているんですよ。ポジティブな「Gimme Gimme」に比べたらネガティブな要素も入っていますね。その半年という長いのか短いのか分からない期間、相手を信じ切れていない心情を表現しました。サビでは「人生の旅」という意味で〈航海〉というワードを入れていますが、曲の流れだと「後悔」に聴こえるなど工夫も入ってますね。
―ーこのようなインスピレーションはどういう時に浮かぶんですか。
YUICHIRO:僕は恋愛するたびに歌詞を書き残すようにしているのですが、この歌詞はそれをそのまま落とし込んだものです。だからリアルなんですよね。ただ今回は曲にしていくなかで、(杉山)亮司に相談もしました。
杉山:相談してくださるので真剣に考えましたよ。たまに細かいニュアンスから若干のジェネレーションギャップを感じたり。
YUICHIRO:感じないでくれ(笑)。
杉山:(笑)。〈既読〉とか。
YUICHIRO:僕は「既読にならず」にしたんですよ。
杉山:やっぱり自然な話し言葉なら〈既読つかず〉の方がいいかなと思ったので直しました。
TAKA:それにしても、もともとのデモは英語だったので、よくここまで原曲のメロディを崩さずに日本語を当てられたなと思いますよ。
