2017.04.19 公開
MUCC結成20周年記念ツアー完走!「ファイナルありがとう!武道館まで突っ走りたいと思います!」

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Photo by 西槇太一

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今年2017年、結成20周年YEARを迎えたMUCC。2月4日(土)のTSUTAYA O-EASTを皮切りにスタートしたツアー「MUCC 20TH ANNIVERSARY 97-17 羽化-是朽鵬6極志球業シ終T脈殺-」が4月15日(土)Zepp DiverCity Tokyo公演を持って幕を閉じた。



2017年。MUCCは20年という節目を迎えた。茨城という地に生まれ、同じ時代を生き、共に“バンドというサウンドが放つ熱”に翻弄され、友達の提案からノリで付けたMUCCというバンド名で“バンド人生”を歩み出した10代。今から20年前の彼らは、その頃、今の自分たちを想像出来ていただろうか?きっと、彼らは迷わず自分たちの変化と進化を、想像出来なかったと語ることだろう。

結成から20年経った今、【MUCCというノンジャンル】を築き上げた彼らは、確実に“自分たちがなりたいバンド”になれていると思う。しかし彼らは、今の自分たちのスタイルを結成当初から明確に持っていた訳ではないと思うのだ。

というのも、結成当初の彼らの放っていたサウンドは、メインコンポーザーであり、バンドのリーダーであるミヤ(G.)のルーツでもある昭和のフォークを基盤とする、アンダーグラウンドなダークさを宿したサウンドであり、そのサウンドに乗せて唄われる歌詞は、人間の業を赤裸々に吐露する言葉たちだった。

故に、そこにエレクトリックな質感や同期音や英語などは皆無であったのだ。しかし。20周年という歳月の中にあった様々な出逢いや経験から、MUCCは新たなサウンドへの道を切り開いていった。

目に見えた大きな変化があったのは、2007年10月にリリースされたシングル『ファズ』であったと言えるだろう。4つ打ちのダンスチューンであるこの曲は、MUCCがエレクトロやテクノといった、いままでのMUCCの音の中に存在することのなかった要素がふんだんに取り込まれていたのだ。

細かい変化としては、オーケストラと共存させたバンドサウンドで聴かせたメジャー5枚目のシングル『雨のオーケストラ』などを含む、2005年の11月にリリースされたアルバム『鵬翼』も、MUCC史上における一つの転換期であったとされるが、分かりやすくデジタルを取り入れたサウンドの変化が見られた2007年以降の彼らは、確実にバンドとしての振り幅と表現力を多いに広げたと言えるだろう。

今、MUCCというバンドは音楽シーンにおいて、いったいどのジャンルに属するのだろう? 一般的には【ヴィジュアル系】というジャンルに属すると言われるのだろうか?日本の音楽シーンの中でヴィジュアル系というジャンルは、なにかと疎外されがちではあるが、MUCCは自分たちが例え疎外感のあるシーンに属され、どう呼ばれようとも全く気にしてはいない。

MUCCは、ヴィジュアルシーンのフェスや、メタルシーンのフェスや、ラウド、パンクシーンのフェスや、流行のロックバンドが一堂に会するフェスと、どのシーンにも堂々とその名を連ねているほど、MUCCという確実なジャンルを築き上げているのだ。まさしく。MUCCとは、【MUCCというノンジャンル】なのである。



 

MUCC結成20周年記念ツアー完走!「ファイナルありがとう!武道館まで突っ走りたいと思います!」  画像 2/5Photo by 西槇太一


そんな彼らが20周年目に選んだのは、自らの過去との対面だった。その対面の形こそが、2月4日の渋谷O-EASTから始まったツアー『MUCC 20TH ANNIVERSARY 97-17 「羽化-是朽鵬6極志球業シ終T脈殺-」』だったのだ。

このツアーは、21ヶ所23公演というスケジュールで全国をまわり、4月14日、15日のZepp DiverCity Tokyo 2days公演で、そのツアーを締めくくった。今回のツアーのセットリストの軸となっていたのは、1月25日にリリースされた通算13枚目のフルアルバム『脈拍』であったのだが、20周年を記念する“周年ライヴ”であったことから、セットリストには軸となる『脈拍』の他に、もう1枚のアルバムが偲ばせてあったのだ。

今回のツアーでは、その“もう1枚のアルバム”が何であるかが分かる【方程式】が設けてあり、一つ前のライヴでその方程式が解けるという仕掛けになっていたのである。その仕掛けとは、その日のアンコールの始まりが次のライヴの“もう一つのアルバム”の中の1曲であったのだ。

つまり、オーディエンスは、聴きたい曲を狙ってライヴに来れるということも可能であったという訳。これは、ただ過去曲たちと対面するというだけでは物足りないという、彼らの粋な計らいだ。

実に、フルアルバムは、2014年の6月25日にリリースされた『THE END OF THE WORLD』以来3年ぶりとあって、アルバムツアーとしても久しぶりだった彼らは、今ツアーでは4曲目までをアルバムの収録順と同じ並びで頭に置き、しっかりとアルバムをオーディエンスの記憶に刻んでいった。



 

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