2017.04.19 公開
「盲目であるが故の疎外感」を1曲目に置いたアンコールでは、「蘭鋳」で絶頂を迎え、「1997」で絶頂を超えた。「娼婦」から繋げられたこの曲は、“東京!悔い残すなよ!”というミヤの叫びから始まった。
いつものように全員を座らせ、ジャンプを煽る前に、逹瑯は、“ファイナルありがとう!武道館まで突っ走りたいと思います!”と、6月20日、21日に日本武道館で行われる『MUCC 20TH-21ST ANNIVERSARY 飛翔への脈拍 ~そして伝説へ~』への想いを言葉にした。そして。「蘭鋳」終わりで、逹瑯がジャンプを煽り、ヘッドバンギングでオーディエンスの熱を滾らせると。ミヤがオーディエンスに挑発的な言葉を投げた。
「東京!過去と勝負しようぜ!昨日、“未来と勝負しようぜ!”って言って、すげぇ盛り上がったから、今日は過去に勝とうぜ!このツアーで、20年の過去と対峙してきたけどよぉ、過去も未来もどっちだって、どうだっていいんだよ!今しかねぇんだよ!いけるか!?」(ミヤ)
そんなミヤの叫びを受け、オーディエンスは間違いなくこの日1番の景色を魅せてくれたのだった。このツアーの最後を締めくくったのは「シャングリラ」。懇々と放たれる音と魂の叫び。それは、とても美しい終わりだった。盛り上げることだけを目的としない、生きとし生ける全ての者に告ぐ、我(MUCC)こその生き様。そんな彼らの覚悟を、ここに観た気がした。
20周年の集大成ライヴとなる6月20日21日に控える日本武道館では、20年の歴史にさらに塗り重ねられたこのツアーでの成長を、どんな形で魅せてくれることになるのだろう?擦り切れるほどに脈打つ感覚を見せつけて来る彼らと向き合うには、相当な覚悟が必要となるに違いない。
(文:武市尚子)
3ページ(全3ページ中)

関連タグ
【あなたにオススメ記事】