ゴールデンボンバーのステージでは各パートのソロがパフォーマンスの目玉だ。ドラムソロでの樽美酒は自慢のボディを見せながら肉体派の有名人の顔パネルで自分の顔を隠す体モノマネを実行し、そこにSHINPEIやAKIHIDE、最終的にはDAIGOの顔まで登場するという展開に会場は大笑い。
ギターソロでは白い衣装に羽を付けた喜矢武が“ラララランドセル”なDAIGOに扮し、女子小学生姿の歌広場と共にCMを再現するという、BREAKERZへの愛がたっぷり詰まっていた。
また「酔わせてモヒート」でもユニークな演出が繰り広げられ、喜矢武が得意のダンボール工作でデフォルメした“ビッグフェイスくん”(DAIGOの描いた絵本の主人公)姿で登場したり、B'zへのリスペクトを込めて作った楽曲「ultra PHANTOM」ではダンボール製のギターの着ぐるみに身を包んだ喜矢武自身が声でギター音を表現するという大胆なパフォーマンスに目を奪われた。
そして激しい曲中心の中で登場した、80年代の雰囲気をまとう「アモーレ」(ニューシングルのカップリング)の存在も忘れられない。情熱的なヴォーカルに耳を傾け、サビ部分ではBOXステップ。その動きが浸透していく場面も印象的だった。
ステージ後半は暴れるにはもってこいのナンバーが立て続けに登場。メンバーの動きも激しくなり、その中で歌い続ける鬼龍院の声は圧倒的な存在感を放っている。「ローラの傷だらけ」で中央のお立ち台に立ってヘッドバンギングする鬼龍院とその下で歌舞伎の連獅子のように高速で頭を回す歌広場の最強コンビネーションは、ライブでしか見られない。
刺激的な空間となった会場は「欲望の歌」で濃度を増し、歌広場の叫びで会場がヘドバンの嵐に。畳み掛ける激しいサウンドが脳内を浸食する「†ザ・V系っぽい曲†」がラストに投下され、樽美酒のデスボイスが響く中、フロア中がおりたたみ(上半身を前のめりになる)体勢になり、終盤で“ゴールデンボンバー演奏しろ!”コールが響き渡る。
ユーモアと荒々しさが交差するパフォーマンスは、10番勝負の中でも異端な存在であることは間違いない。“BREAKERZさん、後は頼んだ!”という鬼龍院の言葉と共にゴールデンボンバーのステージは終了した。
そしてステージ転換を経て、後手・青コーナー、BREAKERZステージが幕を開ける。お馴染みのSEが流れると手拍子が起こり、SHINPEI、AKIHIDE、DAIGOの順で姿を見せると歓声はさらに大きくなった。オープニングを飾ったのは力強いメッセージが詰まった勢いのあるロック・ナンバー。オーディエンスの手が一斉にステージに向けられる光景はいつ見ても壮観だ。
その後はDAIGOの“Zepp飛べー!”が轟くソリッドなパワー・チューンを披露。序盤から振り切れた展開を見せた。そして1st MCでは今回の対戦について、第8戦のvs VAMPSを終え、第10戦のvs GLAYを控えた状況とあって“つかの間のオアシス”と本音を漏らすDAIGO。気を遣わずにフランクで居られることで、いつも以上にリラックスして歌えそうだと嬉しそうに話す様子が印象的だった。
さらに今回の10番勝負開催にあたり、第1回目の会議で勝手にゴールデンボンバーを“決定済み”枠にしていたというエピソードも。“ゴールデンボンバーにできなくて俺達ができることは、ちゃんと演奏すること”と笑いを誘いつつ“今日はGB(=ガツンと ブチかまそうぜ)でいきましょう!”とDAI語入りで意気込みを語った。
その後はきらめきが詰まったハッピー・チューンで会場を華やかにしたかと思えば、ヘドバンが入り乱れるナンバーで圧倒。SHINPEIとAKIHIDEもステージを動き回り、熱気を確かめるようにオーディエンスを煽っていく。他にもドラマティックな展開が魅力のメロウな曲や情緒溢れるミディアム・ソングなど、表情豊かな構成でステージは進行。ダンサーを交えてショーアップした楽曲やライブに欠かせないタオルを回すアグレッシヴなナンバーも、BREAKERZのライブを初めて見る人を引き込むパワーを放っていた。
メンバー紹介ではそれぞれが今回の対戦についてコメント。SHINPEIは楽屋で樽美酒と筋肉談義に花を咲かせたという微笑ましいエピソードを述べ、AKIHIDEはある意味異種格闘技戦だと分析していた。DAIGOは金爆ファンから“DAIGO兄さん”と慕ってもらえることが嬉しいと漏らした後、実際に観客に呼び掛けてもらって嬉しさを爆発させていた。
