画像 6/8Photo:今元秀明/岡田貴之/緒車寿一/加藤千絵/田中和子
会場内からもたくさんの「ありがとう」という声が起こった。ひとりぼっちで泣いた日の28年後の同じ日に何万人もの人々と同じ時間、同じ空間を共有しているのだから、未来は何が起こるのかわからない。tetsuyaのトークに続いては、再び、“錬成”が行われて、さらにひとつになったところで「Blurry Eyes」へ。
様々な時代のライヴ風景がスクリーンに映し出されている。hydeがホイッスルを回す横で、かつてのhydeがホイッスルを回している。25年という時の流れが視覚的にも実感できる。感極まった観客が声をあげている。さらに「Link」へ。事前に世界各地のファン同士の写真、L'Arc-en-Cielゆかりの場所の写真、25周年のコメントを募集するMissionがでていた。
全世界から集まった画像のピースの数々が大きな球体に映し出される中での演奏となった。観客もハンドクラップで参加して、さらにたくさんのピースがL'Arc-en-Cielを中心としてひとつになっていく。2日間通じて海外からの観客の姿もちらほら見かけた。
客席で国旗を掲げている観客もいた。L'Arc-en-Cielにとっての25年間は時間の連なりを意味するだけではなくて、空間的な広がりをも意味しているのではないだろうか。この年月の中でL'Arc-en-Cielは世界各地のリスナーから支持され、ワールドワイドな活動を展開するようになった。これはなんと稀有な25年だろう。
画像 7/8Photo:今元秀明/岡田貴之/緒車寿一/加藤千絵/田中和子
「25周年、何が変わったのか考えてたんですが、昔は理想を追いかけていました。好きな女の子とか好きな先輩とか。それが気が付いたら、かわいい後輩がたくさん出来て。“いつかその場所に行くから”って言ってくれる後輩も増えてきました。それを見てるとL'Arc-en-Cielでやってきたことは間違いじゃなかったのかなと思いました。たくさん後輩は出来たけど、まだまだ負けるわけにはいかないので、逃げ切るつもりでやります。人生の半分以上をL'Arc-en-Cielで過ごしているわけで。これってどういうこと?と思うんですが、これからその月日が長くなっていくといいなと思います」という言葉に喜びの声がたくさんあがった。
「これまでの道のりは長かったです。遠回りもたくさんしましたが、こうやってたくさんの人に愛されて、この場所に来ることができました。みんなの今日の笑顔に報われます。この笑顔に会うためだったなら、悪くない道のりだったなと思います」という言葉に続いて、東京ドーム2Daysのラストを飾って演奏されたのは「瞳の住人」だった。
“君の笑顔を見つめていたい”という歌詞はこの瞬間のメンバーの思いと重なりそうだ。ミラーボールの光の粒がドームの天井で輝き、スクリーンでも光の粒が星々のように輝いている。客席のL'edバンドもが輝いている。そしてもうひとつ、hydeの顔のアップが映し出されたのだが、その瞳はかすかに濡れて輝いていた。
25周年の歩みがうかがえるステージであると同時に、この先にあるものを想像したくなるステージでもあった。それは進み続けることのかけがえのなさが伝わってきたからだ。この日のたくさんの笑顔はL'Arc-en-Cielが25年かけて得てきたものである。
だがまだこの先があるはずだ。すべてのピースがひとつになった瞬間の一体感は明日へ歩んでいく原動力や活力となっていくだろう。この2日間の笑顔はきっとこの先にある未来へと繋がっている。
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