画像 3/9Photo:今元秀明/岡田貴之/緒車寿一/加藤千絵/田中和子
「会いたかった? 会いたかったよね。こんなにたくさんの人に集まってもらえて、本当に幸せものです。L'Arc-en-Ciel、25歳になりました。25歳もすごいけど、25年間、これだけ愛されているのはもっとすごいと思います。(L'Arc-en-Cielは)天然記念物みたいなものだから、4人揃ってるところなかなかお目にかかれないんですけど」とhydeのMC。
「この25年間、何があったかなって考えたら、レッサーパンダが立ちましたね。ウーパールーパーはそれより前だっけ?」とマイペースなトークを繰り広げるkenに、「もう大丈夫です!」とhydeが止めに入り和やかな掛け合いを見せた。
そんなMCを挟んで、「flower」「Lies and Truth」へ。4曲続けて4thアルバム『True』からの選曲だ。25周年を記念してのステージなので、代表曲、人気曲中心に構成されていたのだが、バンドにとって節目の時期の曲も目立っていた。
炎や波の映像を効果的に使いながらの「fate」「forbidden lover」「Shout at the Devil」といったディープな曲が続く流れでは、個々の歌の陰影の濃い世界観と、様々な困難を乗り越えて進み続けてきたバンドの歩みとがシンクロするかのようだった。
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ライヴ空間の中でより大きく育ってきた曲もたくさん演奏された。たとえば「REVELATION」。この曲ではhydeとkenがパーカッション、tetsuyaとyukihiroがギターでのパフォーマンスを展開しながら、メインステージからサブステージへとムービングステージに乗って移動。観客の腕に装着されたL'edバンドが赤く光っていて、観客もともにこのライヴ空間を作り上げていた。ここからの2曲はアリーナ最後部のサブステージでの演奏。
「25周年なので、これがL'Arc-en-Cielの原点なのかなという曲を僕が選びました。kenちゃんが持ってきた時、やれるのがうれしかった記憶があります」というhydeのMCに続いては1stアルバム『DUNE』収録曲「Voice」が披露された。25年前の曲だが、歌も演奏も実にみずみずしい。さらには今の彼らだからこその大人の色気が漂う「X X X」へ。こうした新旧の楽曲の対比も興味深い。
25年間の歴史の中でのレアな映像の数々が流されると、驚きの声や笑いが起こった。4人とも実に若い。懐かしの映像を見て感じるのはその瞬間その瞬間の輝きがあるということだった。
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“シングル3枚、同時発売”の告知CMの映像が流れて、アンドロイドダンサーがポールダンスなどのパフォーマンスを展開する中で、その同時発売のシングル曲「花葬」「浸食―lose control―」「HONEY」が続けて演奏された。このブロックではL'Arc-en-Cielがリリース当時(1998年)の世紀末の時代の気分までも音楽に封じ込めていたことも見えてきた。
音楽制作以外でも、2枚同時アルバムリリース、3枚同時シングルリリースなど、戦略面でも彼らは自在かつ柔軟な活動を展開していた。新たなことに挑み、未知の荒野を切り拓いて進んできた25年だ。
kenの幻想的かつブルージーなギターソロで始まった「MY HEART DRAWS A DREAM」では会場内にシンガロングが起こった。tetsuyaのベースも一緒に歌うかのようだ。さらに「NEO UNIVERSE」、tetsuyaのベースソロで始まった「STAY AWAY」と続いていく。スクリーンに空飛ぶ車が行き交う近未来の映像が流されて、ドーム内にも車型の飛行船が出現した。
「オレたちを待ってたんだろう。会いたかったんだろう。すごいとこ、見せてくれよ、東京。しっかり目に焼き付けていけ。やれるのか、東京ドーム! やれるのか日本!」とhydeがあおって、「READY STEADY GO」へ。ここでも会場内が一体となってシンガロング。
演奏が終了すると、hyde、kenがステージから下がった。tetsuyaもベースをアンプの上に置いてステージから去っていく。yukihiroのドラムでフィニッシュとなった。