2022.02.13 公開
再びバンドメンバーを呼び込み、ライブはクライマックスへ。大らかなボーカルが印象的だった「find fuse in youth」、未来へのポジティブな意志を描いた「嘘じゃない」によって豊かな感動を生み出す。「もう終盤です。リラックスと熱意を持ってやります」というMCの後は、「通り雨、うつつのナラカ」「花火」「Helix」を続け、会場のテンションをさらに引き上げてみせた。
『Face To Time Case』に込めた土地が持つ記憶と向き合うという意味をオーディエンスに告げ、本編ラストの「タイムケース」へ。意外性に満ちたコード展開、独浮遊感のあるメロディ、深いメッセージ性が融合したこの曲には、シンガーソングライター・崎山蒼志の魅力が凝縮されていた。
鳴り止まない手拍子に導かれ、再びステージに登場した崎山。改めて感謝の言葉を口にした後、シークレットゲストの石崎ひゅーいを呼び込むと、フロアからは大きな拍手が巻き起こった。まずは2人で共作した「告白」。思春期の始まりのピュアな心情を描いた歌を崎山、石崎が声を合わせて描き出す、超レアなシーンが実現した。さらに石崎のオリジナル曲「ひまわり畑の夜」も。
小学生の頃から石崎のファンだったという崎山にとって、これ以上ないプレゼントだったと言っていいだろう。
最後はバンドメンバーとともに「潜水」を爆音で演奏。強烈なテンションに貫かれたサウンドが炸裂し、ツアーのラストを締め括った。
アルバム『Face To Time Case』を中心に、アーティストとしての驚くべき進化を体現してみせた崎山蒼志。この先、彼の音楽はどこまで広がっていくのかーー。今後への期待がさらに膨らむ圧巻のライブだった。
Text by 森朋之
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