2022.01.02 公開
桑田佳祐、ソロ4年ぶりの有観客全国ツアーが横浜アリーナで年越しフィナーレ

Photo by 西槇太一  画像 1/3

今年9月に4年ぶりの新作EP(ミニアルバム)『ごはん味噌汁海苔お漬物卵焼き feat. 梅干し』を発表し、各音楽ランキングの首位を席巻した桑田佳祐。勢いそのままに作品を携えて突入した有観客での全国アリーナツアーは、新型コロナウイルス感染防止対策により、各自治体・会場等に定められたキャパシティ制限下で開催。細心の注意と万全の対策が講じられ、各地大盛況で歩みを進めてきた中、12月30日(金)・31日(土)に開催された横浜アリーナ公演にて大団円を迎えた!


<コロナ禍での開催・・・>
桑田佳祐のソロ4年ぶりとなる新作EP(ミニアルバム)『ごはん味噌汁海苔お漬物卵焼き feat. 梅干し』が、9月15日(水)に発売されるやいなや、オリコンやBillboard Japanをはじめとする各音楽ランキングで首位を席巻!全国ラジオでのオンエアランキングなども含めると、30冠超えの大ヒットとなり、現在も記録を伸ばし続けている。今夏に開催された東京オリンピック・パラリンピックに際しては、民放各局の中継やニュース番組で、収録曲である「SMILE〜晴れ渡る空のように〜」がオンエアされ、CMでも「Soulコブラツイスト〜魂の悶絶」や「炎の聖歌隊 [Choir(クワイア)]」、「金目鯛の煮つけ」が連日テレビを賑わせていた。そして昨年末には、各民放のテレビ音楽特番に軒並み出演。圧巻のパフォーマンスを披露しお茶の間の注目を集めた。名実ともに、2021年エンターテインメント業界の顔と言っても過言ではない桑田だが、ごはんEPを携えて、全国アリーナツアー『桑田佳祐 LIVE TOUR 2021「BIG MOUTH, NO GUTS!!」supported by SOMPOグループ』を9月より開催。全国10箇所を巡り20公演を実施したツアーが、年末12月31日(金)に横浜アリーナにて開催された年越し公演をもって完結した!

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まだまだコロナウイルスが全国的に猛威を奮っていた2021年9月、「毎日を懸命に生きておられる皆様の心を、ホンの少しでも晴れやかなものにするお手伝いができれば」という想いのもと、宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ公演から本ツアーはスタートした。宮城県ではコロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言が9月13日(月)よりまん延防止等重点措置へと移行されており、これ以上ない奇跡的なタイミングで開幕の狼煙を上げた。開催当初は、各自治体・会場等に定められた感染対策ガイドラインに則り、会場キャパシティの半分、かつ上限5000人の規模で公演を実施。途中、中止・延期などに見舞われることもなく、むしろツアーが進むにつれて段階的にキャパシティ制限も緩和され、8箇所目の埼玉公演では、制限がかかって以来最大となる11,250人を各日動員。そして、晦日・大晦日の年越し公演を開催した横浜アリーナでは、フルキャパシティとなる12,000人を各日動員した。
キャパシティ制限の緩和はあったものの、ライブ開催にあたっては万全な感染症対策を実施。人と人との接触を極力避けるため、全て電子チケットのみの取り扱いとし、公演中は最終公演まで歓声NG、マスク着用を徹底、出演者・関係スタッフ全員に抗原検査を実施するなど、ガイドラインも細かく設定した。ウィズコロナ時代のエンタメを切り開く第一歩となる、記念すべき大規模全国ツアーになったといっても過言ではない。

<ライブについて・・>
2021年12月31日(金)、開演時刻。歓声を出すことができない会場からはいつも以上に大きな拍手が湧き起こり、桑田佳祐とミュージシャンたちをステージに迎え入れる。「それ行けベイビー!!」でライブの幕は開き、適当に手を抜いて行こうなという歌詞から始まるこの曲が、息の詰まる毎日を生きる全ての人々の心を解きほぐし、温かな感動が会場を包み込む。3曲目、ファンとの再会を歌った「炎の聖歌隊 [Choir(クワイア)]」では、来場者全員に配布されたナマケモノライト(腕時計型ライト)が光り、会場全体に炎を灯すかの如く一斉に点灯し、会場のボルテージも急上昇。リズムに合わせて楽しそうに手拍子し、体を揺らす観客がいてくれるライブに、格別の喜びを感じるかのように、桑田佳祐もとびきりの笑顔と熱のこもったパフォーマンスを見せた。MCでは「会いたかったよ!嬉しいよ、また会えて。おかげさまでここまでやって来れました。満員御礼でございます。今年はマスクを外してライブすることは叶いませんでしたが、皆さんとリラックスして最後まで楽しんでいただければと思います!」とマスク越しに笑顔を見せる観客に語りかけた。多幸感に満ち溢れる中、ファンの前で歌えることの幸せを噛み締めながら、何気ない日常の幸せを歌う最新EPの収録曲「金目鯛の煮つけ」や、2017年にリリースされたアルバム『がらくた』に収録され、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」の主題歌として大ヒットした「若い広場」、歌詞にご当地ネタを盛り込み、地元の観客を大いに沸かせた「新YOKOHAMA LADY BLUES〜新・横浜レディ・ブルース〜」(原曲「OSAKA LADY BLUES」)など、バラエティに富んだセットリストが繰り広げられた。

メンバー紹介の後、桑田が「自分史上一番暗い歌」と前置きをしてから始まった「どん底のブルース」。歌詞が大幅に変えられ、マイナーな曲調ながらも、大変だった1年を労い、来年こそはマスクを外した皆さんの前でライブがしたい、という思いがひしひしと伝わる圧巻の歌唱だった。また、今年開催された東京オリンピック・パラリンピックを彩った「SMILE〜晴れ渡る空のように〜」の演奏中には、ステージのビジョンに岩手県陸前高田の奇跡の一本松や宮城県仙台市荒浜海岸で実施された追悼式の模様などが映し出される演出も。今回のツアーも東北を出発地にしていることからも分かるように、今年が震災から10年の節目であり、復興もまだまだ道半ばであることを忘れてはならないという、10年経った今でも変わらない、桑田の東北への想いがあった。2019年春、新型コロナウイルスが蔓延しエンタメ業界が窮地に追い込まれた際にも、多くのライブスタッフ・エンタメ関係者を救うべく、サザンオールスターズとして誰よりも先に大規模無観客配信ライブを届け、医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーの方々への感謝の思いを込めて一部収益を医療機関に寄付したことも記憶に新しい。震災時、コロナ禍どちらにも共通して言えるのは、桑田は、いつも世の中が不安な状況にある時にこそ、世間に寄り添い、「音楽人として自分にできることは、音楽を届けること」という矜持を胸に音楽を作り、ライブを行い、ファンを始め多くの人々に希望を届け続けているということだ。

さらにライブ後半のハイライトとなったのは、本人出演のユニクロ「ジーンズ」TVCMソングとして話題を博し、さらには12月に公開され大きな話題を呼んでいるNetflix映画『浅草キッド』の主題歌としても起用された令和の歌謡ソウル・ポップス「Soulコブラツイスト〜魂の悶絶」だ!最新EP『ごはん味噌汁海苔お漬物卵焼き feat. 梅干し』のリードソングとしてもお茶の間を賑わせたこの曲は、ド派手で軽快なブラスに乗せてグルーヴィな演奏をするバンドと共に桑田が熱唱!途中、スクリーンにはアントニオ猪木がハルク・ホーガンにコブラツイストをかける古き良き映像が流れるなど、昭和のスターへのリスペクトも込められたソウルフルなパフォーマンスを披露した。楽しそうに歌う桑田からは、今回のツアーを心から楽しんでいる様子が伺える。

ライブはアンコールに突入し、時刻は23時55分ごろ。2021年最後に歌唱された曲は「オアシスと果樹園」。アップテンポな楽曲に観客が煽られていき、会場の熱気がマックスに達したところで、新年へのカウントダウンがスタート!会場にいる全員が、希望に満ちた2022年になることを願いながら、笑顔で新たな年に足を踏み入れた。新年1発目には、まさかの「好きな曲を歌わせていただきたい!!」という桑田のワガママ(!?)で、1968年に発表されたヒデとロザンナの「愛の奇跡」を、コーラスのTIGERとデュエットで披露。そのまま「波乗りジョニー」になだれ込み、スクリーンに映る謹賀新年という文字と共にステージ上には水着のダンサーも登場して、ボルテージは最高潮に!そして「メンバー、ダンサー、スタッフ一同、感謝を込めて」と最後に「祭りのあと」を演奏。万雷の拍手に包まれながらツアーは大団円を迎えた。

桑田佳祐、ソロ4年ぶりの有観客全国ツアーが横浜アリーナで年越しフィナーレPhoto by 白石達也  画像 3/3


<1月3日(月)にはオンライン追加公演も・・・>
普段であれば、ドーム規模でのライブが多い桑田佳祐なだけに、アリーナクラスかつキャパシティ制限のあった今回のツアーは、いつにも増してチケット応募は激戦化。ネット上で、会場に来ることのできなかった多くのファンはもちろん、会場でライブを観た感動をもう一度味わいたい!という方からも、「今回のライブをぜひ配信してもらえないか!?」と、配信を望む声が日々続々と上がっていたことを受けて、11月20日(土)・21日(日)に行われたさいたまスーパーアリーナ公演の模様が、オンライン特別追加公演としてライブ配信されることも決定している。《ABEMA/PIA LIVE STREAM/U-NEXT/Rakuten TV/ローチケ LIVE STREAMING/ファンクラブ「サザンオールスターズ応援団」(LIVESHIP)》の6つの配信メディアで、2022年1月3日(月)19:00〜一斉同時ストリーミング配信される今回のオンライン特別追加公演は、このツアーの一環として、場所や見る手段は違えども、ライブを観るために同じ時間に集まり、特別な時間を皆で共有したいという想いが込められている。また最新EPのタイトルにかけたおかわり配信として、1月7日(金)20:00〜、8日(土)13:00〜、9日(日)19:00〜の3回にわたるリピート配信も決まっているので、ぜひ自身の都合にあわせてチェックしてみて欲しい。
オンライン特別追加公演の詳細は特設サイト(https://special.southernallstars.jp/kuwata2021/live/streaming)をチェック。

日本中の人々が、明るい兆しを求めて様々な苦難を乗り越えてきた2021年。特別な状況下で開催されたこのツアーも、そんな2021年に寄り添い、一緒に苦難を乗り越えてきたツアーとなった。運良く会場で参加できたという方も、残念ながら参加することが出来なかったという方も、ぜひとも桑田佳祐の届ける音楽とエンターテインメントを体感して、素晴らしい2022年のスタートを切るための原動力にしていただきたい!

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