2021.12.30 公開
のん、最初で最後となるZepp Tokyoライブを開催

撮影:南賢太郎(FOCUS STUDIO)  画像 1/9

のんが12月25日(土)にZepp Tokyoにて有観客ライブを開催した。のんは、新型ウイルス感染症が広がり始めた昨年2月、自身が主宰する音楽フェス「NON KAIWA FES vol.2」を断腸の思いで無観客形式での開催を決断。同年5月からはギタリストのひぐちけいと共に、無観客配信ライブ「のんおうちで観るライブ」をスタート。いつか、お客さんの前でライブ活動再開が実現するのを待ちながら、これまでに13回もの無観客配信ライブを行ってきた。感染症の状況がようやく緩和されたこの時期、のんの元に僥倖が届く。2022年1月1日に閉館するZepp Tokyoに空きが出たのだ。Zepp Tokyoは、のんが音楽を始めた頃から目標にしてきた会場。偶然とはいえ、その夢が遂に実現することになった。かくして開催に至ったのんの最初で最後の“Zepp Tokyo ワンマンライブ。メンバーは盟友ひぐちけいに加え、今年5月の「おうちで観るライブ」以来、のんのサポートには欠かせなくなったベースのなかむらしょーこと、ドラムのナガシマタカトが参加。盤石の体制で臨んだ初の“Zepp Tokyo のステージがいよいよ始まる。

【写真】最初で最後となるZepp Tokyoライブを開催したのん(9枚)


のん、最初で最後となるZepp Tokyoライブを開催撮影:南賢太郎(FOCUS STUDIO)  画像 2/9 のん、最初で最後となるZepp Tokyoライブを開催撮影:南賢太郎(FOCUS STUDIO)  画像 3/9

開演時間になると、会場にはズシンズシンと地響きが鳴り渡る。ステージに貼られた煙幕に、シャドーで浮かび上がったギターを持った恐竜(これがのんザウルスか?)が、足を踏み鳴らす。続いて爆音のディストーション・ギターがかき鳴らされバンドが演奏を始める。煙幕が鮮やかに降ろされると、ステージにはメンバー4人がそれぞれのポジションで構える。のんの真っ赤なテレキャスターがイントロを爪弾くと1曲目がスタート。ゾクゾクするほど、かっこいいオープニングだ。

のん、最初で最後となるZepp Tokyoライブを開催撮影:南賢太郎(FOCUS STUDIO)  画像 4/9

この日ののんの衣装は、左右の袖がタータンチェックとストライプ、胸元には大きな白いリボンに、フラワー・プリントのパンツ。そして背中には大きな恐竜の尻尾!パンキッシュでアヴァンギャルドながらキュート。コメント欄にも『かわいい!』と称賛が並ぶ。客席をじっと見据えながら、真摯な姿勢でマイクに向かうのんの姿は実に凛々しい。久しぶりの有観客ライブということもあって、幾分か緊張しているように見える。まずは4曲を立て続けに演奏し、ここでのんは衣装替え。今度は右に黄色、左に赤の大きなリボンがついたグリーン・チェックのジャケットを羽織って登場。この日の観客には入場時、のんからのクリスマス・プレゼントとしてミニ・タンバリンが配られた。声を出せない代わりに、タンバリンを鳴らして欲しいというのんからの気持ちだ。観客と共にタンバリンの叩き方の練習を経て、次の「僕は君の太陽」で、のんはハンドマイクに持ち替え、花道まで出てきてタンバリン・アクションを実践し客席と一体感を作っていく。

「ゆっくり飛んでけ」は近田春夫のアルバムにのんが描き下ろした曲。セルフ・カヴァーは、この日が初披露。身体を大きく揺らしながら客席を煽る。この頃になると、オーディエンスとの呼吸や間合いも取れてきて、のんの表情もリラックスしてくる。「ノンノン・ソング」はカジヒデキが、のんをテーマに書いた楽曲。カジヒデキのアルバム「GOTH ROMANCE(2019)」に収録され、のんはデュエットでも参加した曲だが、ライブで披露するのは、この日が初めて。前半はアップチューンのロック・テイスト楽曲が並んだが、こちらはキュートでポップなナンバー。ここからはカバー・コーナーとなる。「プン・プン・プン(オコリンボ リンボ)」、「I LIKE YOU」はのんが敬愛する忌野清志郎のRCサクセション。THE BLUE HEARTSの「キスしてほしい」は昨年公開された主演映画「私をくいとめて」とコラボしたマルコメ恋愛発酵学会CM曲。原曲と違ったスロウテンポのアレンジでしっとりと歌われ、KIRINJIの「エイリアンズ」もかつてCMでのんが歌ったヴァージョンでの披露。透き通るような声を場内に響き渡せ、オーディエンスもじっと聴き入る。照明も幻想的な風景を作り出す。

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