藤井フミヤの「十音楽団 青いレーベル」全国ツアーの東京公演が12月3日(金)と4日(土)の2日間に渡って中野サンプラザで行われた。
「十音楽団(読み:とおんがくだん)」は、ドラムレスのバンド編成に室内楽アンサンブルを加えた10人の演奏家が、“ひとつの物語”を語るような曲目と演出で構成されるコンサート。演劇的要素と音楽ライブを融合させたスタイルで、演出と構成はフミヤ自らが手掛ける。「十音楽団」としてのツアーは2019年夏に行われ、今回が2年ぶりの開催となる。
開演前に場内で流れるBGMはグレン・ミラー楽団やデューク・エリントン楽団の古き佳きオーケストラ・ジャズの音楽。客席もちょっとお洒落でオトナな雰囲気に包まれる中、フミヤがツアー・タイトルに冠せられた「青いレーベル」のアナログレコードを胸に抱えステージ中央に浮かび上がる。フミヤの台詞の後に「十音楽団」のメンバーが奏でたのはチェッカーズのファーストアルバムに収められたオールディーズ・ムード満載のナンバーだ。この曲がコンサートの前奏曲のように演奏された。
「十音楽団 青いレーベル」のコンサートは、「第1章 青い光の方へ」「第2章 青いメロディー」「第3章 青い影の少年」「第4章 青い夜の約束」「第5章 青いワンピース」と「最終章 青い木漏れ日」の「青」をテーマにした6つの章立てで構成される。各々の章のテーマに沿って、チェッカーズ曲からフミヤ・ソロの楽曲から選曲される。各章の前には、その章のイメージを戯曲の台詞のようにフミヤが語る。通常の音楽コンサートと違って、実にシアトリカルだ。お馴染みの楽曲が、弦楽四重奏が入ることで時には格調高いクラッシック音楽に、時にはムーディーなジャズにと変幻自在にアレンジされている。「涙のリクエスト(1984)」は軽快なスィング・ジャズ風と、このコンサートでしか聞けないスタイルで楽しめる。
