2021.11.01 公開
【ライブレポート】THE SAVAGE、 「極彩色の景色」初の有観客ワンマンライブが実現

「THE SAVAGE LIVE ’21 ”THE FIRST RGB”」の様子 Photo by Momoko Maruyama   画像 1/5

男女混成のダンス&ヴォーカルユニット・THE SAVAGEのワンマンライブが、10月23日に渋谷・Studio Freedomで開催された。

THE SAVAGEにとっては初のワンマンライブにして、初の有観客ライブ。
『“THE FIRST RGB”』と冠されたライブタイトルは、自身の持つ「色彩」を初めてリアルの観客に発信するという意味合いでつけられたもの。
緊急事態宣言の発出で、一度延期になるなどの紆余曲折を経て開催された今回のライブ。それだけに待ち望んだファンは多く、会場のヴォルテージはスタート前から最高潮に達していた。

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ステージ上のLEDビジョンにオープニング映像が映し出され、彼らのこれまでの軌跡をオーディエンスに追体験させる。突如暗転、眩しい逆光に照らされ、メンバー4人のシルエットが浮かび上がる。

ギラギラに尖った新曲「Infinity」で、NADiAが静寂を破り、YUYAとNANAがラップで煽り、TOMOYAがメロディパートを聞かせる。自慢の「黄金比」ともいうべき必勝布陣で、冒頭から一気に畳み掛ける。
リリースされたばかりのアルバム「The Day」から「MidNight SunLight」を真っ赤な照明でソリッドに魅せたかと思うと、「Lapis Lazuli Liberty」の洒落たビートを堪能させる。隙を見てTOMOYAはステージ最前に腰掛けてファンに手を振る。それぞれのカラーが、ライブが進むごとに塗り重ねられていく様を実感できるパフォーマンス力は、彼らの天性のものであろう。

リーダーのNADiAが、リアルの観客を前に「言葉が出ない」と素直な想いを口にして「夢みたいな景色」と零す。一日千秋の想いで迎えたこの日を、ファンと一緒に分かち合えた事に万感の思いが巡る。
ステージに立てる、迎えてくれるファンがいる。その「奇跡」に感謝しながら、彼らは一歩一歩、確かなパフォーマンスで応えていく。

ライブ中盤、「一息つきますか」とハイチェアに腰掛けたメンバー達。「Green Shade」と「Viridian Mood」をアコースティック仕様で演奏。「緑色」をテーマに作られた、趣きの異なる2曲をじっくりと演奏することで、ライブに艶やかな差し色を足す。

バックセレクターをつとめたNisi-P(from PART2STYLE)の激しいDJプレイが、ゆったりとした余韻を一気に切り裂くと、ライブはクライマックスに突入。
「Dirty Wolf Moon」「Cobalt Half Moon」という2曲のキラーチューンを炸裂させると、ダンストラック「BlackOut 4Style」でフロアを席巻。
このグループの特筆すべきポイントは、やはりダンス。
NANA→NADiA→YUYAの順にパワフルなパフォーマンスを届けると、今度は「皆で踊れる振りを」と「Cryin' Blue Rain」。
「明るい未来へ!!皆さんで手を叩こう!!」と新曲「Clap For Klap」。
ファンクのリズムでキッチリ沸かせて、ディスコアレンジの「Gold Round」でタオルを回させる。
本当に自由に、なによりイキイキと展開していくライブ構成は、曲目も含めメンバー自らがプロデュースしたという。
テクニックを見せつけるだけでなく、オーディエンスとともに空間を創り上げる姿勢、そのワクワク感こそが彼らの真骨頂であろう。

「盛り上がってますか??」とNANAによる勢いのあるアオリで、会場は更にヒートアップ。
そして、本編のラストには、デビュー曲「SunLight Yellow」。
朝日が流れ込む山々の山吹色をイメージしたというこの曲はこれからまた歩き始める、彼らのアンセムであると言える。
「ライブが実現出来た事になにより感謝しています!!」とNADiA。大きな拍手の中「また会いましょう」「会いたい!! 会いたい!!」と賑やかにステージを降りた。

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鳴り止まないアンコールの手拍子に応えて、登場した彼らは「THE WHITE STORY」を4人で真っ白な気持ちで歌い上げる。
この曲を終えたYUYAが「グッときた」と語り、8月に脱退したメンバーの事を喋り始めた。
「最初から、何かをすると何かの問題が絶対おこるグループなので・・・」と言ったところで声を詰まらせる。
これまでの事を振り返りながら、また目の前のリアルのファンの顔を前にして、同じステージに立つ仲間と同じ思いを背負って。
HighもLowもごちゃ混ぜの感情が、彼の目に大粒の涙を溢れさせる。
しかし、最後には真っ直ぐ前を見て「でも僕たちは4人で進む事を決めました」と覚悟を述べる。
神妙な面持ちで「喋るのすごい苦手なんですけど」と前置きしたTOMOYA。
「なによりも、今日、映画館じゃなくて、遊園地じゃなくて、THE SAVAGEのライブを知ってくれて、来てくれて本当にありがとうございます」と、オーディオエンスに向けて深々と頭を下げるといつもの無邪気な笑顔ではにかむ。

THE SAVAGEがラストナンバーとして選んだのは「GrayWall Distance」。これは、奇しくも離れた友への思いを綴った曲。
—いつも 未来を見よう 歪んでしまう事を恐れずに—
そう歌いながら、彼らは自身の曲で、新たな決意を抱いたように見えた。
長く続いた曇天の隙間から、日が差し込んで、青空が拡がりつつある今の世情のように。

『“THE FIRST RGB”』というツアータイトルが示す通り、初のワンマンライブは極彩色のアンサンブルを描き出した。
なお、メンバー発案で「この日来れなかった人の為に」と追加公演を実現する為に、現在クラウドファンディングを敢行中だ。

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