熱量マックスで3曲を終えての小MC、BREAKERZに誘われたのは、2015年のVAMPS主宰「HALLOWEEN PARTY」にお互い出演したことがきっかけだったそう。続いてクールダウン「楽にゆっくり聞いてもらえれば~友だちが結婚したときに作った曲です」
『「花」-0714-』は、7月14日のその日をドラマティックに繊細に歌ったナンバー。続く「Love Letter」というラブソング、どちらも轟音だけのロックバンドではない、MY FIRST STORYの音楽性の懐の深さ、またバンドの強さと優しさの表現力に大器の器を感じさせた。
そして、中盤~終盤ここからの展開がこれまた仰天なのだ。赤白バックライトの交錯が再び会場を戦闘モードに染め上げていく中「monologue」「虚言NEUROSE」「The Puzzle」と矢継ぎ早にドラマティックなナンバー、曲間の繋ぎは全てSE、クールダウンしている間もならぬまま「失踪FLAME」「モノクロエフェクター」「Second Limit」が、これでもかと攻め立てる。
明るくポップな曲調や、Hiroのスクリームが聞けるナンバーもあり、なのだがとにかく途切れなくテンションが全く下がらない。この展開こそまさに恐れを知らぬ20代ならではの力技だ。そうして圧巻のラストナンバーは彼らのアンセムともいえる「不可逆リプレイス」。強力なカタルシスが会場中に放出されていた。
ステージの転換を終えると続いては青コーナー、BREAKERZが登場。SHINPEI、AKIHIDE、そしてDAIGOと、メンバーがステージに現れるとそれだけで会場が華やかになる。しかも、この日も前回の大阪公演とはかなり異なったセットリスト!通常のJ-ROCKバンドのツアーではあまり見受けられないこの洋楽アーティスト級セットリストの変更には思わず目を丸くしてしまった。これを知ったファンなら全公演全会場制覇したくなるに違いない。
しかしながら、この季節ならではのナンバーから懐かしいバラードまで、日毎に彩りを変える選曲でもオーディエンスをBREAKERZワールドに引き込む。さすがデビュー10周年の貫禄か。
また、この日印象的だったのは、マイファスがほぼMCが無く英語詞を多用した世界を構築しているのに対して、BREAKERZはDAIGOのMCもたっぷり、歌詞はキャッチーな日本語で掴んでいくというオーディエンスへのアプローチが対極にあった。
しかもそれでいてどちらもエンターテインメントとしてしっかり成立していたのが非常に興味深かった。いわば、新世代のMY FIRST STORYは洋楽ロックと邦楽ロックの壁をブチ壊す覇者として、現世代のBREAKERZは芸能界とJ-ROCKの壁をブチ壊す勇者としてその名を刻み込まれる存在になっていくのではないか?そんなことを今夜の2マンライブを見て感じた。
閑話休題。この10番勝負公演、もうファンの間では周知の事実として広まっているだろうが、この日もアンコールには両バンドが登場してのアンコールセッションを展開。今夜選ばれた楽曲はMY FIRST STORYの「Tomorrowland」とBREAKERZの「灼熱」。