ライブ終盤を迎え、セットリストは3rdアルバム『HiKiKoMoRi』と音源未発表楽曲を合わせた彼女の最新曲のパートへ。「このアルバムは文字通り、コロナ禍で引きこもりながら制作したアルバム」と語り、当時の心境を反映したかのダークポップ「Nightmare」をパフォーマンス。その後も比嘉愛未主演ドラマ『にぶんのいち夫婦』のオープニングテーマ「片っぽのピアス」、アコースティックで音源未発表曲「手のひらの中で」といった幅のある楽曲を巧みに歌い上げていく。
本編が残り3曲となったところで藤川は一層のボルテージを高めて「四畳半戦争」をパーフォーマンス。藤川も「最も好きな曲」と語る同曲では、バンドも初期衝動を感じさせる性急なアプローチでドライブ。その熱量を残したまま、グッドメロディとグルーヴが一体となった「そんなんばかりループ」「誰も知らない」を歌い繋ぎ、O-EASTをピースフルな空気で包んで藤川は本編のステージを後にした。
アンコール、Tシャツ姿で再びステージに現れた藤川がパフォーマンスしたのはYouTube再生回数860万回超え、彼女の楽曲の中でも最も聴かれた楽曲の1つである「あたしが隣にいるうちに」。大サビではアカペラも交えながらこの曲を丁寧に歌い上げ、オーディエンスとの記念撮影が行った後で、藤川は告白と宣言を行った。彼女が語った言葉を書き起こす。
「単刀直入にお伝えすると、藤川千愛を少しお休みしたいと思っています。とはいっても音楽活動を辞めるわけではなくて、藤川千愛という名前を捨てて新しいプロジェクトをスタートします。理由はまっさらな状態でゼロからロックがしたいからです。
自分の記憶から封印していたところがあるので、一度だけ話をさせていただきます。でも今後はこの話はしません。最初で最後です。
私にはアイドルをやっていたという過去があります。ずっと言えなかったんですけど、正直に言うとその過去が本当に嫌いです。誤解しないでほしいのは、アイドルのファンを否定しているわけではないし、アイドル全般を否定しているわけでもありません。アイドルをしていた自分の過去が嫌いということです。アイドルを辞めたのは音楽を追求したいという純粋な気持ちと、とにかく、まねきケチャというグループから離れたいという気持ちがあったからです。メンバーとは仕事への向き合い方から違ったし、互いに理解し合えませんでした。だから彼女たちにとって私はきっと邪魔な存在だったろうし、私も彼女たちと距離を取りたいと考えました。グループとして3年、辞めて3年。いくら距離を置いて、いくら時間がたっても、いまだにそこと紐づけられることを私は残念に思っています。
波風を立てないようにアイドルを辞めた理由を正直に語らなかったこと、はっきりと嫌いなものを嫌いだと言わなかったこと。こういうことが誤解を生んでしまったり、逆に自分を苦しめることになったと思い、今日は最初で最後、正直な気持ちを伝えています。
