変幻自在の5人組ボーカルダンスユニット、M!LKが8月20日(金)に東京・Zepp Tokyoで全国5都市7公演に及んだZeppツアー「M!LK BEST L!VE TOUR 〜Thank you for your smile〜」のファイナルを迎えて、アンコールで結成7周年の記念日である2021年11月24日(水)にビクターエンタテインメントよりメジャーデビューすることを発表した。
佐野勇斗、塩﨑太智、曽野舜太、山中柔太朗、吉田仁人の5人からなるM!LKは、2014年11月24日に結成。これまでに4枚のアルバムと11枚のシングルを出しているが、「M!LK BEST L!VE」と銘打った本ツアーでは、その名の通り、全シングル曲をパフォーマンスし、7月28日に配信した新曲「月明かりの透明」も披露。過去、現在、未来をまたぐセットリストで、どんな時でも笑顔で応援してきてくれたみ!るきーず(ファンの愛称)に“これまで”の感謝の気持ちを伝えるとともに、メジャーデビューに向けた“これから”の活躍に期待が高まるような内容となっていた。
ライブは2015年3月にリリースされたインディーズ1stシングル「コーヒーが飲めません」でフレッシュな笑顔と共に幕を明け、佐野はダイナミックな前方宙返りを見せた。可愛く舌を出す「反抗期アバンチュール」から自己紹介ソング「新学期アラカルト」と学校を舞台にした初期楽曲を続ける中で、山中が「愛される準備はできてるか?」と甘い言葉を囁くと、塩﨑は「みんなに会いたかったです!」と続け、佐野が「行くぞ!後悔のないように、ペンライトをあげていこうぜ!!」と絶叫。タオルの代わりにペンライトを回した「サマーガンバ」を経て、「夏味ランデブー」ではピンスポットに照らされた吉田が「み!るきーずのみんな、愛してるよ」と告白し、満員の観客を魅了した。
冒頭は、まるで夏祭りのような陽気で賑やかな時間となっていたが、吉田・佐野・山中のユニット曲である新曲「月明かりの透明」で場内のムードは一気に夏の夜へと変化。アーバンR&Bナンバーを切なくしっとりと歌いあげたあと、本ツアーのために結成されたM!ダンサーズを従えた塩﨑が踊るハードなエレクトロナンバーを合図にメドレーへと突入。17歳のラッパー・さなりが手がけた「energy」をはじめ、トラップやフューチャーベース、ヒップホップやトランスなど、最新のサウンドメイクが施されたダンストラックでクールかつセクシーな仕草や表情も垣間見せ、ウィクリーチャートで2位を獲得した8thシングル「Over The Storm」では困難を打ち破るように激しく力強く歌い踊ることで、楽曲のエッジーさをより際立たせていた。
中盤では再び笑顔が輝く王子様のような5人がカムバック。「白黒Brand New Day」ではソロダンスを踊った曽野が美しい回転ボレーシュートを決め、山中がカメラ目線でウィンクを送った「恋がはじまる」では四季折々をめぐる爽やかなラブストーリーを繰り広げ、アカペラから始まるバラード「イチニノサン」ではメンバー同士がしっかりとアイコンタクトを取り、カラフルな個性を湛えた5人でしかなし得ないハーモニーを響かせた。
結成からの6年間の集大成とも言える本編の後半は、ヒット曲を中心にエモーショナルに駆け抜けていった。「My Treasure」では、同じ時間と場所を共に楽しんでくれたみ!るきーずへの感謝の気持ちを<Thank you for Smile>というフレーズに込めて全力で歌い、「疾走ペンデュラム」や「テルネロファイター」「ボクらなりレボリューション」では、会場全体が1つとなって牛のツノのようにペンライトを掲げ、揺らし、ジャンプし、盛大なクラップを鳴らして盛り上がった。そして、青春ギターロック「ERA」では新しい時代を掴んでいくんだという強い意思を込めて熱唱。ステージの最前線まで足を進めて情熱的に歌ったラブソング「かすかに君だった」を経て、メンバーを代表してリーダーの吉田が「M!LKは活動してきて7年になります。姿、形を変えながらも、たくさんの方に応援していただきながら、ここまで進んでくることができました。このツアーはその7年の集大成だと思っています。でも、ゴールではなくて、僕たちの夢である<ドームツアー>を、僕の大好きなメンバーと、僕たちの愛するみ!るきーずのみんなとできるように、これからも頑張っていきたいと思います。僕は、この5人でM!LKでほんとに幸せだなと思いました」と、ライブで初めて“ドームツアー”という夢を公言し、メンバーへの思いを語り出したところで号泣。佐野に背中をさすられても涙が止まらず、佐野が「メンバーで一回、集まろう」と呼びかけて円陣を組み、気を取り直して「だから、みんなでもっといい景色を見に行きたいなと思っているので、応援よろしくお願いします」とメンバー揃って深々とお辞儀をすると、会場からは温かい拍手が沸き起こった。そして、「これまでの僕たちが、これからの僕たちの背中を押してくれることを祈りながら歌います」という言葉の後、本編の最後に、涙ながらに歌われたのは「まっしろサンライズ」だった。4thシングル「夏味ランデブー」のアイス盤のカップリングに収録されていたレア曲だが、この5人で新しいスタートを切るんだという決意と覚悟が滲み出ていたように見えた。
