2021.08.16 公開
HYDE、ソロ活動20周年記念コンサート横浜公演のライブレポートが到着

HYDE『20th Orchestra Tour HYDE ROENTGEN 2021』パシフィコ横浜公演 PHOTO by 緒車寿一   画像 1/4

8月14日、日本No.1(※1)ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」にて、HYDEの『20th Orchestra Tour HYDE ROENTGEN 2021』のパシフィコ横浜公演が、無料独占ライブ配信された。

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本公演は、『L'Arc〜en〜Ciel(ラルク アン シエル)』のヴォーカルでもあるHYDEのソロ活動20周年を飾る全国ツアーの横浜公演。有料の有観客開催でもあるが、チケットは発売と同時に即完売。また、新型コロナウイルスの影響や遠方在住など、様々な理由から会場でコンサートを体感できない多くのファンの為に、スマートフォン等でどこからでも視聴できる取り組みとして、今回の無料独占ライブ配信が実現した。

舞台上の大型スクリーンに映し出された時刻が「16:66:00」になると同時に、会場にストリングスの音色が響き始めた。2001年からのソロ活動で生み落とされた1stソロアルバム『ROENTGEN』の1曲目『UNEXPECTED』のイントロだ。今回のコンサートは、HYDEの“静”の一面を語る上で欠かせないこのアルバムの世界観を、収録順に生オーケストラと共に再現し昇華する試みを中心に構成されている。

イントロが終わるタイミングでステージ中央に登場したHYDEは、『UNEXPECTED』に続けて『WHITE SONG』を披露。静かだが力強い歌声で、会場を一気に『ROENTGEN』 の世界に引きこんだ。
「『ROENTGEN』へようこそ」。観客はマスク着用、着席で、声援も禁止の為、拍手で応える。今回のコンサートの趣旨を簡単に説明した後、「みんなの声が聴けないのは残念ですけど、その分じっくり音楽を堪能していただきたいです。配信組は、お酒でも飲みながら楽しんでもらえたらいいな」と、会場と配信、どちらの観客にも気遣いを見せた。

HYDE、ソロ活動20周年記念コンサート横浜公演のライブレポートが到着HYDE『20th Orchestra Tour HYDE ROENTGEN 2021』パシフィコ横浜公演 PHOTO by 緒車寿一   画像 3/4
『ROENTGEN』 から3曲を披露した後は、現在制作中の『ROENTGEN 2』から「哀しい内容だけどかわいらしい曲に仕上げた」という『SMILING』と、奈落の底のような絶望を感じさせる『THE ABYSS』を。HYDEの歌声は哀しみ、絶望、切なさ、儚さ…と次々に表情を変え、観客の五感を捉えて離さない。派手なセットも特殊効果も凝った映像も無いシンプルなステージが、豊かな色彩を携えたHYDEの歌声とオーケストラの音色で満たされていく。

HYDEのシンガーとしての力量を見せつけたのは、globeのカヴァー曲『DEPERTURES』とYOSHIKIとのコラボ曲『Red Swan』を歌った時だ。特に、「すっかり自分の曲のように歌ってる」という『DEPERTURES』は、オーケストラアレンジも相まって、よりせつなさを増し、自作の曲以外でもHYDE色に染めつつ原曲の世界観を伝える、圧倒的な表現力を証明した。

MCでは、着席のまま無言で楽しまなければならない不慣れな状況のせいで、会場が若干かたい空気なのを感じ、「リラックスして。リラックス!」と何度も言うHYDE。観客の緊張を解くような、なごやかなトークが続き、思わず笑いが起きる一幕も。また、客席に20年前のグッズのTシャツを着たファンを見つけて、「キュンとした。僕は20年もずっと好きな人なんて居ないですからね。本当にありがたい」と感謝の言葉を贈っていた。

柔と剛を操りながら3曲を披露した後、今年30周年を迎えるL'Arc〜en〜Cielの話題へ。「人生の半分以上がL'Arc〜en〜Cielになってしまいました。30年前なんて子供でしたからね…オトナでしたけど(笑)。脈絡の無いことばかりしてて、今考えるとオソロシイ。だから考えない」と笑いを交えて振り返り、『HONEY』と『flower』をジャジーなアレンジでセルフカバー。疾走感があり若さ溢れる恋から20年以上経って、酸いも甘いも知ったオトナの恋愛に生まれ変わった趣きの2曲によって、会場はスイートな雰囲気に。その空気感のまま『ANGEL’S TALE』へ。ここまでヴォーカルに徹していた彼がアコースティックギターを持ち、ストリングスを従えて弾き語り、原曲よりもせつない印象で観客を魅了した。

HYDE、ソロ活動20周年記念コンサート横浜公演のライブレポートが到着HYDE『20th Orchestra Tour HYDE ROENTGEN 2021』パシフィコ横浜公演 PHOTO by 緒車寿一   画像 4/4


『THE CAPE OF STORMS』でせつなさを極めた後、「ここまで16曲演ってきましたが、暗~い内容ばっかりだったのをご存じですか? 幽霊船、愛を探して彷徨う、枯れたい(笑)、“奈落”とかもありましたけど」と自嘲気味に話し、会場の笑いを誘った。そして、「お待たせしました! ここから前向きな曲を2曲」と、「愛に溢れていて安心して聴ける」という新曲『FINAL PIECE』と、親友のK-POPアーティスト・ジェジュンに提供した『BREAKING DAWN』を披露した。

最後のMCでは、「20年前に『ROENTGEN』を作った時は、バンドサウンドやダンスミュージックが主流だったけど、ボクはアコースティックな、ウィスパーなアルバムを作りたかった」と、当時を回想。「求められていないとしても、“世の中に反抗するのがロックだ”と、(やりたい音楽を)貫こうと思いました。『ROENTGEN』というタイトルは、かわいらしい女の子もレントゲンを撮ったら中身はガイコツだ、というのと同様に、表面上は静かな音楽でも志はロックだ、という意味で付けました」と、タイトルに込められた想いを語った。そして、「当時、もしツアーがあったとしても、こんなに素敵な演奏と一緒に、こんなに上手く歌えなかったと思う。だから、今日の日の為に20年前にこのアルバムを作ったのかもしれない」と、発売から20年経った今、再現コンサートを行うことの意味深さを噛みしめていた。

6月25日に配信された『NOSTALGIC』に続けて、アルバム『ROENTGEN』の最後の収録曲『SECRET LETTERS』を歌い切った後、指揮者さながらにオーケストラを盛り上げてフィニッシュ。会場はスタンディングオベーションとなり、HYDEが投げキッスをしてステージを去った後も、賞賛の拍手が鳴りやまなかった。

コンサート終盤になっても、「17LIVE」のライブ配信には新たな視聴者が続々。このライヴを見る為に登録した新規ユーザーも多く、SNSには「こんな神ライヴが無料配信なんて!」などの感激コメントが溢れ、「HYDEさん」がトレンド入りするほどだった。



「17LIVE」で配信を見る際には、コメント表示機能をオフにしてどっぷりとその世界に浸るパターンと、同時にコンサートを視聴しているオーディエンスとのリアルタイムのコミュニケーションを楽しむ、という2パターンがあり簡単に画面のスワイプで切り替えることができる。映像や音響のクオリティも高く、“今、この瞬間”パシフィコ横浜で行われている空間を共有している気分となり、高揚感すら感じることができた。
コロナ禍で外出もままならない今だからこそ、音楽ライヴをリアルタイムな配信で視聴することに意味がある。
今回のHYDEコンサートが行われていた約2時間、自宅で『ROENTGEN』の世界にトリップしながら、そう実感した。


8月30日~9月3日の期間限定で、『17LIVE』アプリ内において無料独占アーカイブ配信も決定。当日見逃してしまった人も視聴できる絶好の機会となる。 また、見逃し配信を含め、今回のコンサートを視聴した人の中から抽選で、公演中に撮影された「イチナナ限定ライヴフォト」がプレゼントされるキャンペーンも実施。 詳細は、HYDE_officialのアカウントで告知される予定だ。


TEXT by 鳥居美保
PHOTO by 緒車寿一

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