2021.08.14 公開
ゴスペラーズ、2021年ツアーのWOWOW放送に先駆けてメンバーコメント入りライブレポートを公開!

ゴスペラーズ(※提供写真)  画像 1/7

今回のツアーがユニークだったのは、 彼らのアカペラ・コンサートと並行して「アカペラドラマ」が繰り広げられていたこと。 どうやら記憶を失くしてしまった「ある女性」と、 なぜかその女性の傍にいる「ある男性」との会話劇になっており、 「男性」の声を、 ゴスペラーズとも親交のある声優・小野大輔が担当。 「女性」のセリフは舞台上に字幕となって表れ、 それを観客である私たちが「読む」ことによって、 ドラマが成立するといった演出がなされていた。 つまり「女性」役を務めるのは、 会場で字幕を黙読する私たちオーディエンスなのだ。

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「コロナ禍のいま、 収容率50%の客席に『拍手・手拍子のみ、 声出し不可』など制限を課しての開催となったこのツアー。 それを逆手に取った演出があれば、 観る側に『不自由さ』ではなく『今しか観られない演目』と思ってもらえるはず…という気持ちでやっております。 狂言回し役に声優・小野大輔さん、 その相手役に声を出せない客席の『あなた』を配した、 『最小限キャスト』でのストーリー仕立てのアカペラ舞台です」(酒井雄二)


果たして「女性」は記憶を取り戻すことができるのか、 傍にいる「男性」は一体誰で、 「女性」とはどんな関係なのか。 ちょっぴりミステリー仕立てのそんなストーリーが、 ゴスペラーズの楽曲とゆるやかに繋がりながら進んでいく(きっとそれは、 私たちがコロナ禍で経験している「喪失」と「再生」のメタファーでもあるのだろう)。 もちろん、 北山陽一が初めて作詞に挑んだ「ハーモニオン」、 ルーパーを駆使しながらリアルタイムでリズムを組み立てていく「嘘と魔法」など、 キャリア27年にしてなお健在な彼らの「果敢なチャレンジ精神」をも私たちに見せつけた。

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「チャレンジやトライしたいことが、 まだまだ沢山あります。 今回、 その中から何を選択するかという答えに辿り着くのには、 コロナ禍という条件が道を示してくれました。 このステージは、 ゴスペラーズにとって前進だと純粋に信じています。 音源で聴くのとライヴで聴くのは、 何が違うか?今回のステージは、 より明確にその部分を伝えられていると思います。 曲を繋ぐ物語、 あなたが主人公になって楽しんでください」(安岡 優)

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5人の個性がぶつかり合うゴスペラーズのハーモニーを、 メンバー自ら「ケンカアカペラ」と称しているのは、 ファンには有名な話だ。 ケンカはケンカでも、 お互いの個性を潰し合うことなくその先に「調和」を目指すゴスペラーズの音楽性。 おそらくそれは、 「多様性」が叫ばれながら「対立」と「分断」が加速している現代社会において、 何かしらのヒントになるのではないだろうか。 彼らの美しく、 時に荒々しいアカペラを聴きながら、 ずっとそんなことを考えていた。

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