アンコールは、「新しい宿」シリーズのテーマ曲として選出。3公演とも「一発あてろ」からスタート。新宿といえば、東京で成功を夢見た地方の人たちが憧れの地として集まってくる場所。つまり、ジャパニーズドリームを夢見て一発当てようとして集まるという理由から、その想いに重なる「一発あてろ」を持ってきたというわけだ。ここでは、メンバーたちがブルーズ&ロックンロールな演奏を通し、毎回観客たちの身体を心地好く揺らしていった。
最後の楽曲は、毎回「B.V.B」「Justice」「Mr.Freez」「ロマンス」の中から選ぶ形を取っていた。先に伝えておくと、配信を見ている人たちは、最初のアンコールでライブは終了になる。会場に足を運んだ人たちには、2回目のアンコールを用意。その流れの中、どの楽曲を演奏するのかが毎公演の見どころにもなっていた。
1回目のアンコール公演の最後は、初日と千秋楽公演で「Justice」を演奏。2回目のアンコール公演では、中日と千秋楽公演で「B.V.B」を取り上げたように、フラストレーションを爆発させるに相応しい曲たちを好んで並べていた。毎回、観客たちも可能な範囲で身体を動かして楽しんでいたが、騒ぎたいのにイキきれないもどかしさは、3公演ともに覚えていたことだったに違いない。でも、コロナ禍の今はそれがルール。むしろ観客たちも、昨年よりPENICILLINの有観客公演の中、同じルールの中でライブを楽しんできたように、悶々とした感情を余韻として噛みしめ味わうという、制限された環境の中での楽しみ方を見いだしているようだ。
PHOTGRAPHER:折田琢矢 画像 3/3
活動29年というキャリアを誇るバンドのように、シリーズ公演ごとに定番からレア曲まで様々な組み合わせを作り上げ、見ている人たちを飽きさせないどころか、つねに歩んできた歴史の活動初期から現在までを行き来する流れを毎公演ごとに作り上げてゆく。それが、PENICILLINのライブの楽しさであり、毎回観てもけっして見飽きない魅力になっている。
最後に、PENICILLINの最新情報をお伝えしよう。一昨年よりPENICILLINが"夏の恒例行事"として始めた「祭り -MATSURI-」公演。今年は、8月14日にVeats SHIBUYAで「祭り-MATSURI- 2021」公演として開催になることが決定した。現状、有観客/配信ライブという形で予定している。その時期の状況次第では無観客ライブ配信のみになる可能性もあるが、ライブ自体は行なうので楽しみにしていて欲しい。最後に、メンバーから「祭り -MATSURI-」公演へ向けてのコメントが届いたのでお伝えしたい。
HAKUEI 「祭り」公演は一昨年から始めた、「夏に祭りっぽいライブをやりたいね」と言う想いから始まったシリーズのようにまだ歴史も浅いんですけど、いつもとは違うPENICILLINのライブにもなっています。今年は、まだ有観客公演としてやりきれるのか、その時期の情勢次第のようにわからないですけど、仮に無観客ライブ配信になったとしても、しっかりとライブはお届けします。今年は"夏のお盆時期"に行なうこともあって、みんなと一緒に夏の終わりにかけての気分を味わえるようなことを、これからいろいろ考えようと思っています。そこは、楽しみにしていてください。
O-JIRO 僕らもまだ社会情勢次第で「祭り -MATSURI-」公演をどういう形で開催できるのかが見えてないように、今年の夏も、多くのイベントや夏祭りが自粛などで中止になり、みんなが気持ちを発散できる行事や方法がなくなってしまう可能性もあるじゃないですか。でも「祭り -MATSURI-」公演は、たとえ無観客になったとしてもライブ自体はやるように、この日、みんなが盛り上がれるようなライブになったら…そんなお祭りになれたらいいなと思っています。PENICILLINは例年、年末に向けて盛り上がっていくスケジュールを組み立てているように、まさに「祭り -MATSURI-」公演が、PENICILLINの後半時期のスタートとなるライブ。みんなも、ここから一緒に年末へ向けて駆けだしましょう!!
千聖 今はまだ、「祭り -MATSURI-」公演を含め、今後の予定が見えづらい状態だけどね。がっつりと突き進んでいくPENICILLINの姿勢は、何も変わらない。まぁPENICILLINとしての新作のレコーディングもこれから取り掛かってるし、秋から冬に向け、「祭り -MATSURI-」公演をきっかけに色々盛り上げていこうと思っているので、これからの動きにもぜひ注目していてください。
