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ようやく会えた8号車を少しでも楽しませたい――そんな5人の想いは「いろんなものを宝箱みたいな感じで詰め込んで」(byカイ)、「二度とないようなスペシャルなライブ」(byユーキ)を実現させた。“8号車が選んだランキングコーナー”では事前に投票を募っていた各部門のベスト5を発表し、まずは“超特急に会えない時期に聴いた曲”の1位に輝いた「a kind of love」が、“どんな時も君が必要”との想いを届けて場内を温かな空気で包み込む。一転、横浜では“セクシー曲ベスト5”を発表し、1位の「We Can Do It!」ではタクヤがシャツをたくし上げて鍛え上げられた腹筋を大胆にさらけ出したり、メンバー同士で妖しく絡んだりと、レーザー光線が飛び交う中でグレードアップしたセクシーを爆発。対照的に神戸では、“せつなバラード曲”1位の「Snow break」でモニター上に降りしきる雪をも溶かしそうなほど熱いエモーションを、新たに手話も交えたダンスでドラマティックに描き出す。トドメとばかり、超特急ライブ史上伝説のシーンを続々再現して、客席にこらえきれない歓喜の呻きを引き起こしたのが“もう一度見たい聴きたい曲”の3曲だ。カイとリョウガがせり上がって互いをなぞり合う「LIBIDO」、6年前のライブ映像とクロスオーバーするタクヤのシリアスなソロ劇中歌「Cosmic岬」、大きなリボンをつけたユーキとタカシがミニスカートでキュートに跳ねる「Candy Night」と、いずれも過去に1ツアー限りで行われた幻の演出。これもユーキいわく「会えない期間があったからこそ思いついた企画」なのだから、まさしく“災い転じて福となす”である。
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1年4ヶ月ぶりの有観客ということで、その間にリリースされた新曲も次々登場。昨春ツアーのテーマ曲として制作されながら、ツアーの中止に伴い温存されてきた「Table Manners」は待望のお披露目となり、テーブルマナーに悪戦苦闘する仕草をリズミカルに織り交ぜたビッグバンドジャズで8号車を軽快に揺らす。続く「Fantasista」もフル尺でのパフォーマンスは初で、ミラーボールのゴージャスな光のなか、センターのリョウガが先導する小粋なダンスビートにより、歌詞を借りるなら“新たなるBuena Vista(=美しい眺め)”を展開。夜明けを待ちわびる最新シングル「Asayake」(横浜)も、超特急の歴史が詰め込まれたデビュー8周年記念曲「Stand up」(神戸)も、画面越しでは既におなじみの曲ながら、肉眼で見届けることのできた感慨は大きい。これらの新曲群で目立ったのは、ボーカルのタカシもダンスフォーメーションに組み込まれ、5人一体となっての訴求力を高めていたこと。それはすなわち、会えなかった時間に彼らが遂げた進化でもある。
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ダンサーが次々にラップを繰り出す「Booster」も、5人の名前を使った攻撃的ラップをユーキが冒頭に追加して、より破壊力を増した仕上がりに。彼のアクロバットもバク宙まで綺麗に決まり、ファイヤボールの熱を受けて雪崩れ込んだラストスパートでは、再び8号車のコール音声が大活躍する。「Burn!」に「バッタマン」(横浜)、「SAY NO」(神戸)と盛り上がり必至の鉄板チューンでは、8号車の応援コールと大合唱が場内に響き渡り、カイは目の前の客席に向かって「心で叫んで、心で一つになりましょう!」と煽動。その言葉に応えてペンライトを振り上げる8号車のぶんまで全力で声をあげ、全身全霊で踊る5人はゼーゼーと息を切らし、初日は「もうブッ倒れそうです……!」とタクヤが漏らしたほどだ。
ここで1年4ヶ月ぶりに再会できた想いを個々に語り、カイは客席の8号車のみならず、あえて会場に来ないという選択をした8号車、遠くからエールを飛ばしてくれた8号車にも毎公演感謝を伝えて、「メチャメチャ楽しいツアーでした!」と笑顔を見せた。タクヤは日ごとに前日を超えるライブを創り出す8号車に、横浜公演の3日目には「誇りです、みんなが」と涙を見せる場面も。神戸では「1席空けにしているように見えないのは、8号車の気持ちが大きくて届いているから」と称賛を贈り、「何があっても僕たちと8号車なら大丈夫」と8号車に強い信頼を寄せた。ユーキは「ライブが居場所であり生きがい」と宣言しつつ、ツアー中盤には「僕はまだまだ未熟者。夢に向かって、こんなところで止まってるわけにはいかない」と発した次の公演で「今日はやっと自分が見せたいものが見せられた」と、日ごとの成長を証明。以前から「ライブはデート」と話すタカシは「デートを再開することができて良かった」と8号車を蕩けさせながら、最終日には「9年前の僕が全く予想していなかった未来、こんな素敵な景色を見せてもらえて、超特急には言葉では言い表せないほどの感謝を伝えたい」と神妙に口にした。毎回コミカルなトークで笑わせていたリョウガも、会えない時間も超特急を愛し続け、最高のライブを更新し続けてくれた8号車に「一つ心に決めたことがあって……SNS更新しようと思いましたね」と最終日に宣言。その日、一番の拍手を巻き起こしていた。
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