Psycho le Cému(C)photo by Sayaka Aoki 画像 9/15
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「早くみんな集まりたい。それが5月3日になればいい」とはやる思い口にしたのはDAISHI。「愛してる」という言葉を繰り返し口にしていた彼は、観客を前にしてその思いがあふれてしまっていたのかもしれない。カッコつけるわけでも、叫び声をあげるでもない、その一言は実感に満ちていた。MCの最後はseek。観客を座らせて、去年20周年記念のツアーが止まってからを振り返った。前に進むことを選び挑戦し続けて来たが故の難しさを語り、それでも「この一年、前に進んできた。僕らのことを信じてついてきてほしい」と力強く、どこまでも誠実に語り掛けるseekには、現在の状況を乗り越え、前へと進む決意でいっぱいだ。
そしてここからガラッと空気を変え、5日後に控えたAYAのお誕生日を祝うことに。登場したケーキにはなぜか蝋燭がない。とそこへ、頭上に吊り下げられた照明がケーキの上の蝋燭のように灯った。ハッピーバースデーの歌が終わると、吹き消す仕草をするAYA。ステージ上でメンバーのお誕生日を祝うのは決して珍しいことではないけれど、そんなこともこの一年なかったと思うと感慨深いものがある。
観客が着席したまま、あと2曲アコースティックを続ける。まずは、「STAR TRAIN」。サウンドが異なるのは当然のことながら、歌声もまた変化し、サウンドに寄り添い、そして気持ちがそのまま届けられる。声の持つ力を改めて感じさせた。観客はゆったりと体を揺らしながら聴き入り、もちろん2階席から表情は見えないのだけれど、幸せな空気に包まれていた。ストリングスの音色から「VISITOR」が始まると、一転スパニッシュなサウンドがドラマチックに盛り上げる。Lidaはエレキ同様アコギも巧みに弾きこなし、華麗なソロを披露した。
「さあ、皆さん暴れますよ」というDAISHIの一言から、再び暴れる時間がやってきた。冷たいほどのサウンドでスリリングに聴かせた「Revenger~暗闇の復讐者~」から、殺気に満ちた「漆黒のゲルニカ」へ。ハードであっても、ノリやすく体が動きやすいという点でキャッチーさが失われていないのは、Psycho le Cémuの魅力なのかもしれない。「Murderer・Death・Kill」とくれば、勢いに任せてひたすらノるだけ。どこまでも気持ちよく熱くなれる。