神秘的な妖しげな世界を描き出した「一億のパルチザン」からは、曲ごとに次々と異なる光景を展開していく。きらめくようなサウンドに、伸びやかなメロディは空高く遠くへ響くように広がり、DAISHIはパワーで押すのではなく、けれども想いを強く丁寧に込めて届けた。楽器陣の4人が楽器を置き、5人が並んだところで始まったのは、「DANCE Ⅱ HEAVEN」。ファンも一緒になって楽しく踊るダンスとは異なる、どこまでもクールに魅せるダンスを披露。曲の世界観をさらに奥行きのあるものにした。
続く「AREA」では、DAISHI とYURAサマによるツインヴォーカルで聴かせる。耳なじみのよいメロディはどこか懐かしさも感じるよう。YURAサマは言葉巧みに観客を盛り上げ、声を出せない現状さえも、「こんなプレイがあってもいいんじゃない」と笑いに変え、心の声を求めては、「YURAサマ、カッコいい」と自画自賛。ダンスはもちろん華のある存在の安定感は、これまでと異なるライヴにおいて安心感さえ感じさせた。
Psycho le Cému(C)photo by Sayaka Aoki 画像 6/15
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「ここからブチ上げていくか! かかってこい!」というseekの雄叫びから「Liberty, babies」がスタート。seekの地を切り裂くような太く鋭い歌声がシャッフルのリズムと共に押し寄せる。続く「[feel on the dark]」はヘドバンの嵐。客席もその場に立ったままではありながら、頭は激しく動く。DAISHIの声色はまるで別人のように攻撃性を増し、聴く者に襲い掛かってくる。かと思えば、「LAST EMOTION」では軽快にラップを聴かせ、次々と幅広い魅力を惜しげもなく見せつけた。
パワーあふれる後半戦からついにラスト「愛の唄」。サビの伸びやかなメロディに乗せて、Psycho le Cémuからのメッセージがファンに届けられる。客席へ両手を差し伸べるAYA。じっと観客を見つめるseek。タイトルどおり、ファンへの愛が感じられるひとときだった。「みんな、愛してるよ」というDAISHIの言葉で曲が終わると、本編はここまで。YURAサマのロケットバイビーで終了となったが、まだ演奏されたのは12曲だけ。短めになったのは、感染拡大予防のため、換気タイムが必要だから。このようにライヴの構成も含め、ガイドラインに則った形でライヴは実施されていた。