カバーするにあたって、「歌手としての感情移入がどこまでできるか?」というところが僕の中ですごく大事で。「自分が共感できるか?曲の世界の中に入り込めるか?」ということで言うと、共感できるし自分の感性に近い…というとおこがましいですけど、すごく大きく揺さぶられる曲だと感じていたから、カバーさせてもらったんですね。ライブで久々に歌ってみて、やっぱり、曲の世界の中に入り込める感覚がすごく強かったです。それが強ければ強いほどパフォーマンスとしてのクオリティーは高くなるし、観ている人を感動させられるものになるから、いいですよね。
Q.客席からは、感染防止対策のため、大きな声を出しての応援が出来ない状況でした。「声が聴けなくて寂しい」「いつももらっている分、返さなきゃと思った」など、観客の存在への感謝の言葉も多々口にされていましたね。
安心感はすごくありましたね。基本的には人って、失敗だったり、「どう思われるか?」というのが怖かったりするわけじゃないですか?もちろん僕も怖いんですけど、失敗を絶対にできない状況と、したとしても笑って許してくれる状況の中とでは全く安心感が違うし。僕は緊張しすぎると良くないタイプなので、アウェーよりはホームでやるほうが得意なんですね。やっぱり、温かく観てくれている皆がいるというのは、こういう状況だからこそ、すごく心強かったです。
Q.本編ラストには「キミノセカイへ」を選び、願いを込めるように歌唱する姿に胸を打たれました。
僕自身は、現状との深い関連性というのはそんなに深くは考えていないんですけどね。もちろん、歌詞的にリンクする部分があって、今の状況との関連性を考え得るというのは理解していますし、観ている人はそういう気持ちにもなるだろうな、と考えてはいるんですけど。僕自身がそことリンクを持たせると、曲自体の力が無くなりそうで…僕は常に、つくった当時の気持ちを思い出して、曲自体が持つピュアなストーリーをそのまま表現するだけでした。受け取る人が今とリンクさせて、「あぁ、それでも頑張ろう」とか、いいほうに変換して受け取ってくれるのは全然いいですし、それが狙いでもあるんですけどね。