後半は、ふたたびE-girlsのステージに。「愛を教えてくれる人たち」「一緒に成長してくれた」「12人目のメンバーであってほしい」と11人がファンへの想いを明かすメッセージ映像が流れると、3ボーカルによる「So many stars」をしっとりと歌い上げる。そして、EXILEの「道」をカバー。〈特別な時間をありがとう〉〈泣かないで歩こう〉というピッタリ過ぎるフレーズに胸が詰まる。
まさに〈動き出した 最後の時間〉。「始まっちゃったら終わっちゃう」と武部がMCで話していたように、楽しいライブが進むにつれて、終わりのときが近づいている。それでもシュンとせずに、〈やりたいこと全部やらなくちゃ〉と盛り上がろうというのがE-girls魂。ショッキングピンクの衣装に身を包み、「Love☆Queen」「シンデレラフィット」「Mr.Snowman」「Anniversary!!」とエネルギッシュに駆け抜けていく。
「E.G. summer RIDER」では車に乗り込んでドライブ気分に。「ヒマワリ」ではファンによってコメント欄がヒマワリの絵文字が咲き誇り、「Making Life」ではZoomで繋いだファンと共演してみせる。ファンの顔を見てさらに元気いっぱいになる11人。タオルを振り回しながら、ファンの顔を拭く素振りをみせたり、ほっぺにキスをしてみせる場面も。
〈限られて 短いからこの時間は宝物〉と歌う「Smile For Me(2020ver.)」では、全員が感極まってしまう。
同じ道を同じペースで歩むことはできなくなってしまうけれど、それは別れやさよならじゃなくて、お互いの歩みを応援し続けるという意味では変わらない。この感覚は、まさに青春そのもの。E-girlsはメンバーにとっても、ファンにとっても、これからの人生を歩む上で、光となってくれるに違いない。
そして発表される、それぞれの道。SAYAKA、楓、藤井は、5人体制の新生Happinessとして、世界的プロデューサーとタッグを組み海外進出へ。武部は、2018年に開催されたグローバル・オーディションで選抜された、アグネス(オランダ)、アズメイ(オランダ)、ラリッサ(オランダ)、アサミ(東京)と共に新たなガールズグループ「SWEET REVENGE」で活動開始。佐藤はモデルに、坂東、石井、山口は女優としてさらなるキャリアを築く。そして鷲尾は伶の名でソロシンガーとして活動する。
早速、鷲尾はソロ名義の伶として歌唱を披露してみせる。映画『小説の神様 君としか描けない物語』の主題歌で、YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」での歌唱も大きな話題となった「Call Me Sick」、そして「こんな世界にしたのは誰だ」と豊かな歌を聴かせる。大丈夫、みんなそれぞれの道で、これまでの経験がしっかりと活かせる。そして、もっと大きなアーティストになっていくに違いない。このE-girlsという宝物を胸に……と信じさせてくれるような時間だった。