Photo by 田中聖太郎
柴咲コウが12/4(日)にビルボードライブ東京、12/11(日)にビルボードライブ大阪にて、2日間で計4ステージのみのスペシャルライブ「Ko Shibasaki billboard Acoustic Night」を開催した。
15年6月にリリースしたキャリア初のカバーアルバム『こううたう』をリリースした際は全国10箇所を回るホールツアーを実施したが、今年7月にリリースした2枚目のカバーアルバム『続こううたう』のリリース後は、主演を務めるNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の準備と撮影のためスケジュールが取れずに、ライブツアーは断念していた。
しかし、柴咲は最初のMCで「年の瀬になって、やり残したことがある気がするなと思って。これはやらなきゃと思い立って、スタッフに相談したら、『やりましょう! 会場探しましょう!! ありました!!!』っていう感じで決まって(笑)、こうして開催に至っています」と説明。
2枚のカバーアルバムからの選曲を中心に、ピアノに元・東京事変の伊澤一葉、パーカッションにゆずのサポートでも知られる若森さちこを迎えた最小編成による演奏で、装飾は排除。真っ赤な果実のようなノースリーブのドレスを纏った彼女は身1つでステージに立ち、リラックスしたムードのなかで全11曲を歌唱。歌の言葉、1つ1つに丁寧に感情を織り込んだパフォーマンスで、プレミアムチケットを手にした観客を魅了した。
笑顔で観客とハイタッチしながらステージに上がった彼女は、ライブのオープニングに爽やかなアップテンポのポップナンバー「白いカイト」(My Little Lover)をチョイス。音源ではワタナベシュンスケに任せていた口笛も自身で披露し、客席からはクラップとともに大きな拍手も上がった。
さらに、柔らかなファルセットが特徴的な「ただ泣きたくなるの」(中山美穂)、近年の彼女のテーマにもなっている「素直」(槇原敬之)、体の奥底からエネルギーが湧き上がってくるような生命力を感じた「永遠」(ZARD)と、思い入れの強い曲たちを音が空中に消えて無くなる最後の最後まで丁寧に歌い上げ、親密な空間だからこその細かい表現の細部まで味わうことができた。
MCでは、来年で15周年を迎える音楽活動について、「やりたいことをもっともっと明確にして、突き詰めて、具現化していきたい」と意気込みを語った。そして、中盤のブロックでは、瞳を閉じながら「3月9日」(レミオロメン)を切々と歌い、現時点での最新シングル「野性の同盟」のアコースティクバージョンも披露。
オリジナルではストリングスも入った壮大なサウンドになっているが、この日は、吐息交じりのアクセントも含め、声だけでスケールを広げていくヴォーカル力を見せた。続く、「サヨナラ」(GAO)は彼女が小学校5年生の時にファンレターを書いてしまうくらい大好きだったシンガーソングライターGAOのヒット曲で、思い入れの強さからか、マイクを両手で持って歌い出だすシーンが印象に残った。
