2020.11.18 公開
【本人コメントあり】大黒摩季、10ヶ月連続配信の新曲を収録した2年ぶり オリジナル・アルバム「 PHOENIX 」を12月23日(水) 発売!「なりたい自分が見えてくれば一層、変われます。」

大黒摩季  画像 1/2

昔感じていた痛みはもう慣れてしまっているから、次感じるのはそれらよりも大きくて更に痛いものに
なるんですね。だから本当に前に進むのが怖いししんどい、そのくせその先には名曲になるマテリアルが
隠れてると思えばまた、つい前のめりでいっちゃう。つまりかなりの音楽馬鹿ってことです(笑)。

それが、このコロナ禍を泳げている秘訣なのかもしれません。

一点だけを見つめていると、ほかのことが気にならないというのか気にできない。
自分の不器用さと無茶さが、今の時代に合っているのかもしれません。
ボランティアなどをやればやるほど、全ての人は救えない、と空しく悟ります。
ファンの皆様に笑って欲しくて全力Liveをついやってしまう度、ミイラのように燃え尽きて
立ち直れないほどの疲労で、自分がスーパーマンなどではない、人生後半を迎えた只の人間なのだと
がっかりします。

その度に最近思うのが、それが自然だということ。
不自然に挑戦しすぎてきたから力んで、固くなってぼっきり折れてきたということ。
人と比べれば、穴だらけ隙だらけのほんと欠陥だらけの私ですが、もっと力を抜いてみれば
50歳には50歳にしか出来ないことがある、私にも私にしかできないことがある。
大黒摩季にしか書けない歌詞があり、曲がある。もう新人さんのような期待はされていないのだから
何かに誰かになる必要はないわけで。

だから、思うまま感じるまま、伝えたいメッセージは綺麗に整理整頓なんかしないで、
熱く響いた順に伝える方がよっぽどその時その瞬間の想いが伝わると思ったのです。
そうして毎月配信シングルをリリースし続けて、そのスパンの速さに途中息切れしましたが(苦笑)、
クリエイターとしては、焼きたてパン屋さんのように“ 今 ”を出来るだけ早く届けたいもので、
プレスやPRのスパンに合わせて待たされたあげく旬を逃す寂しさ悔しさはないし、労力的に時間的物理的に大変なだけで、精神的には開放的でした。やっぱり心が曇っていながら平和でいるよりかは、
忙しいし苦しいけれど心は曇りなくいる方が向いています。

大人になると俯瞰の目が発達しすぎて、好き!大好き!とかコレやってみたい!今触れてみたい!
っていう明日を切り開く好奇心や衝動をまるで火消しの様に理屈という、いい人・いい子に思われたい
という自尊心の灰をふりかけてもみ消してしまうから、作品もどこか周りくどいロジカルなものに
なりがちで、いけないなと。そもそも上手く「 好き 」を言えないから音楽や歌で伝えていたのだから
歌まで仮の自分みたいに書いてどうするよ!!と気づきました。

とにかく私はもう全力で走り回れる未来がかなり少なくなっているから、そういう遠回りや無駄足
踏んでる時間がない、やり直すのに時間使うくらいな新しいことに全力使って行こうと。
今時の“ いい人 ”になんか思われなくてもいい、だって私なりにイイ人はやってきたもの(笑)、なんて
開き直ってしまったら、わりと無敵になって(苦笑)。

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