序盤3曲で精気をすべて吸い取られたような心地になっていると、ここで5年前の初ライブ映像と、当時を振り返るメンバーのインタビュー映像が。ライブの各ブロック、こうしたインタビュー映像がMCの代わりに挟み込まれていたのも『CEREMONY』公演の特徴で、彼らが歩んできた5年間の歴史とメンバーの本音を知るのに大いに貢献していた。さらに、初ライブで「HACK MY CHOICE」を披露する幼い9人に今の9人が重なって、そのまま「HACK MY CHOICE」を引き継ぐという配信ならではの演出は鳥肌モノ。ステージから降りてレッドカーペットを進む9人は身体もパフォーマンスのスケールも桁違いに大きくなって、5年間の成長をストレートに実感させる。これまた初期曲の「BAD BOY」では、順番に掌を突き出す特徴的な振りを一人ずつ舐めるように映し出す躍動的なカメラワークに、思わずゾクリ。直接会えないからこそ、代わりに何ができるか?ということを極限まで考えていることが、そんなところからも伝わってくる。
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バク転、振り付け、デザイン、ヒューマンビートボックス、デスボイスなど、5年間で挑戦してきたクリエイティブについて各メンバーが話したインタビューに続いては、そこでジャン海渡が自ら制作に関わったと語った「New Game」をプレイ。昨年夏の野音ツアーではジャン、田中、松村和哉のラッパー3人でパフォーマンスしていたが、今回は初めて9人全員によるダイナミックなフォーメーションで魅せ、最後にジャンの精密なアニメーションダンスが目を奪う。そして暗転したかと思いきや、ボーカル二人のみで贈る幻の名曲「Song For You」を待望の初披露! レッドカーペットの上、背中合わせに座った古川と池田が二人で涙腺直撃の卒業ソングを歌いあげ、2番から向き合うという演出も実に粋だ。少し照れたように視線を外す二人のエモーショナルな歌唱は、ステージ上で踊る7人に合流しての「Summer Breeze」でも引き継がれ、二人の甘いボーカルと3人の男らしいラップが、ひと夏の恋を緩急豊かに描いてゆく。そして、愛しい人との別れを歌うR&B曲「Bring Back」では、過去のライブ映像も交えて愛しきMemoryを喚起。もう泣くしかないところで、余韻をぶった斬るように8月に配信された新曲「SAMURAI」を投下し、シュールな“SAMURAI”ダンスで情緒を右から左へと振り切るのだから恐れ入る。しかし、淡々としたリズムで江戸へのタイムスリップを描くこの曲もまた、ラストフレーズには“また逢えない人はいないから 泣かない”と綴られており、今、この状況下で伝えるべき曲であることに間違いはないのだ。
ここで、東方神起や三浦大知らの楽曲を手掛けていることでも知られるUTAをサウンドプロデューサーに迎え、9月23日に配信リリースされた最新曲「Burning in the night」を初パフォーマンス。まずは志村から始まる9人のソロダンスを、カメラを順々にバトンリレーしながらメンバー同士で撮影するというアクロバティックなダンストラックで驚かせた次の瞬間、田中のエモな歌声が一気に幻想的な世界へと観る者を誘う。そのまま古川、池田と歌い継ぎ、ジャンから松村とラップを繋ぐ壮大かつ神秘的なナンバーは、月夜を脳裏に浮かばせる、まさしく夜の曲。ダンスアクトは冷たい闇夜に秘められた熱情を表すようで、“明けない夜はない”“音楽で死ぬならば本望”と核心に切り込んだリリックを、より切実に感じさせてくれる。曲前のインタビュー映像で、“5年で学んだことを反映させながらメンバー全員で創り上げた”“振り付けも過去最高難易度”“5年間の集大成”とメンバーが語ったのも完全に納得。神聖なオーラすら感じさせる楽曲で、わずか2分半ながら鮮烈な印象を与えてくれた。
そんな緊張感を緩めるように、次のブロックでは年長組のファイヤードラゴンと、年少組のサンダードラゴンが、交互にユニット曲をパフォーマンス。まずはサングラスをかけたファイヤードラゴンの4人が「On My Way」をファンクに贈り、飯島のラップはもちろん、熟れたジャンのラップにフェイクの利いた古川のボーカルと、SUPER★DRAGONでは聴けないオシャレなフィーリングで楽しませてゆく。一転、廃墟のように組まれたトラスをバックに、サンダードラゴンがレゲエな「Caravan」でヤンチャ感も残しながら身体を揺らすと、ファイヤードラゴンの「Drive Me Crazy」では古川とジャンがツインボーカルで聴かせ、普段はラップ担当のジャンの美声にコメント欄は沸き返るばかり。そこに志村と飯島がダンサーとして入り、ストーリー性のあるダンスで苦しい恋心を体現すれば、今度はサンダーの5人が「真冬の熱帯夜」で全員高校生とは思えない色気を放ち、“心臓止まるかも”とコメント欄に救急車を走らせた。SUPER★DRAGONとファイヤー&サンダー、異なる音楽性を持った3グループがそれぞれのベクトルで進化できるのも、彼らの強みの一つだろう。
「SUPER★DRAGONの強みは9人でいること」(飯島)、「辛いとき、楽しいとき、あなたの人生にSUPER★DRAGONが寄り添っていけたら」(柴崎)、「これからも進化は止まらない、ファンと共に歩んでいきたい」(田中)、「悩みを解決できる歌を届けていきたい」(池田)等々。SUPER★DRAGONへの想いをそれぞれが率直に伝えたインタビューを経ては、ワンカメラでメンバーの動きを追いながらロックチューンを畳みかけて、一気にクライマックスへ。「SWEET DEVIL」では廃墟セットをバックに攻撃的なラップを届けながら、キャッチ―なサビでは一気にターンして荘厳なステージを後方に臨ませ、天まで突き抜けるような爽快感を味あわせるという、心憎い映像マジックも。松村の煽りで繋いだ「Mada’Mada’」では輪になった9人の内側にカメラが入って360度ぐるりとメンバーを捉え、さらに獣の声が轟くなか、中止になった春のツアー『九龍領域』で披露するはずだったソロダンスでファンを歓喜させる。9人いずれも攻撃力の高いアクションで、まさに昇竜の勢いを見せたが、中でも昼公演で最も赤ちゃんぶりが様になっていた伊藤壮吾の男らしさ全開のパフォーマンスには、コメント欄も騒然。また、志村は見せ場のジャンプをレッドカーペット上でのアクロバットに変えて、こちらも喝采を受けていた。トドメとばかり「画面の奥のお前ら、まだまだブチあがっていけるよな!」とジャンが煽り立てれば、ライブ鉄板曲「Untouchable MAX」で視聴者のアドレナリンを沸騰。真っ赤な照明の中で田中のヒューマンビートボックスも冴えわたり、マシンガンをブッ放すミリタリーな振りで、観る者の心を確実に撃ち抜いてゆく。
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