原因は自分にある。photo by 笹森健一 画像 6/14
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しかし、イラストバージョンの“げんじぶ”メンバーによるMC映像では、年齢相応のはしゃぎっぷりも全開に。ここでは3D音響によりイヤフォンで聞くと声が立体になる仕掛けが施されているということで、まずは吉澤の低音イケボが耳元で響き、「分身じゃあ!」とふざけた武藤の声が上下左右から登場するなど、その効果のほどを証明してゆく。そして「僕たちがキュンキュンさせちゃいます」と、順に甘い台詞を囁いていくが、小泉光咲の「もう眠くなってきちゃったな」からは「一緒に…寝よ」(大倉)、「早く起きろよ」(武藤)、「あっ、やっと起きた」(吉澤)と続いて、少々趣旨から外れてしまうのもご愛敬。子供と大人の狭間を軽やかに行き交う、そのしなやかさもまた、今のげんじぶの魅力に違いない。
それを実証するかのように、メンバーカラーを反映した小粋な最新衣装に着替えての「ジュトゥブ」では、パステルカラーのグラフィック映像に加えて、歌詞を書いたボードや天使の輪など、小道具を用いたスペシャル演出で全力の“可愛い!”をアピール。“僕、君、あなた”を意味するタイトルといい、サビ終わりの“メルシ シェリ(=ありがとう、愛しい人)”という歌詞といい、随所にフランス語が盛り込まれたポップチューンにふさわしく、エスプリを利かせてチャーミングに魅了する。一転、先月配信されたばかりの「シェイクスピアに学ぶ恋愛定理」では、シェイクスピア作品に登場するセリフやモチーフ、タイトルが盛り込まれたリリックと、スタイリッシュなダンスパフォーマンスで、同じラブソングでも可愛いだけではない、ドラマティックなイメージを提示。アンニュイに、アダルトに、キュートに、ロマンティックに。曲ごとに移り変わる彼らの多彩な表現力は、新曲が投入されるたびに、その幅を広げている。
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活動2年目に突入するにあたり、今の勢いを自覚して「非常事態ではありますけど、ずっと成長していく年にしていきたい」と大倉が語れば、それぞれが決意表明。「1年目よりも印象に残るパフォーマンスやライブをしたい」(小泉)、「パフォーマンス一つひとつを、より大事にしていきたい」(桜木)、「皆さんと一緒に過ごす時間を増やせるように頑張って、たくさん思い出を作る年にしたい」(武藤)と順に告げるなか、「SNSや配信がある今の時代だからこそのつながり方を模索し続けて、この環境に感謝しながら進んでいきたい」という長野の前向きな視点は、とりわけ印象的だった。また「ファンの皆さんの大切さに気付けたので、2年目は僕たちからファンの皆さんに新しいことを発信する原因となっていきたい」(杢代)、「周りの方々の支えあっての僕らなんだと身に染みたので、感謝を忘れずに高みを目指して頑張っていきたい」(吉澤)と感謝も伝えたところで、「これからもずっとファンの皆さんと一緒に、夢に向かって歩き続けたいという想いを込めて」と武藤が前置いて歌い始めたのは「時速3km」。“君と一緒に歩いていきたい”というメッセージの詰まったミドルバラードは、まさしくファンに対する彼らの心情をそのまま表したもので、天井から差し込む眩しい光を浴びながら想いを込めて歌い、踊る7人のパフォーマンスは、明らかな進化を遂げていた。その姿はファンの心を揺さぶり、“泣ける”“涙腺がヤバい”とのコメントが続々。そんな温かな空気を切り裂くように始まったのが1stシングル「原因は自分にある。」で、背後のモニターと床に映し出されたリリックの狭間で躍動する7人は、ステージを激しく飛び交うどんな光よりも輝いていた。
「こうして1年を迎えられるのも、こうやってライブができるのも、本当に皆さん、アナタのおかげだと思っています。今はまだちっちゃいかもしれませんけど、いつか絶対大きな背中を見せるので、これからもついてきてください」
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