アコースティックスタイルで登場した阿部真央は「制限はあるけど、こんなスペシャルなライブも今だけ!」と、逆境さえも楽しもうと「ロンリー」から凛とした歌声を響かせる。8月12日配信予定の新曲「Be My Love」で爽快な高音域の歌声を、「まだいけます」では体の奥底から湧き出る力強い歌声を聴かせるなど、楽曲毎に多彩な表情、歌声で魅了していく彼女。MCでは久しぶりのライブということもあってか、トークが止まらないという無邪気な一面も見せつつ、長い自粛期間を経ることで「自分らしさを考え、形成することができた」と、これからの活動に期待高まる言葉を残してくれた。
山内総一郎「Osaka Music DAYS!!! THE LIVE in 大阪城ホール」 画像 5/10
イベント前半を締めるのは山内総一郎。「みんなでライブを作り上げたい」と観客の手拍子とともに「LIFE」から真摯に音を届けていく。6月に配信されたシングル「光あれ」では先が見えない、見るのが辛い状況が続くなかで、ライブで音楽を届けることができたことを喜び、「音楽は行く先を照らす光じゃないといけない」と、音楽に懸ける思いがより強くなったと語った彼。歌詞にある“同じ魔法にかかった 会えて嬉しかった”、この言葉はきっとその場にいた誰もが思ったことに違いない。
ステージ毎の転換時には空気の入れ替えも兼ねて、たっぷりと時間が取られていた。グッズ販売やトイレも混雑することはほとんどなく、観客は入場時に配られたアルコールスプレーでこまめに消毒を行っている。昨日、今日の2日間の動きが今後のライブの指針となる。ミュージシャンやイベント主催者だけがライブをしたいのではない。集まった音楽ファンみんなが生のライブを体験したいという願い、その全てがこのイベントを作り上げているのがよくわかる。
奥田民生「Osaka Music DAYS!!! THE LIVE in 大阪城ホール」 画像 6/10
アコースティックの弾き語り“ひとり股旅”で登場した奥田民生。「人前に出るのは久々、緊張しております。…曲、覚えてるのか?」と苦笑いしつつも、「愛する人よ」へ。鳴りの強い歌声&いつものペースでライブが進んでいくが、さすがの彼も久しぶりのライブと歓声の聴こえない客席に戸惑う瞬間も。それでも“明日はきっといいぜ 未来はきっといいぜ”なんて歌われたら、マスクで観客の表情は見えずとも満面の笑みを浮かべているのがたやすく想像できてしまう♪ そして最後は「今やってはいけない曲です」と冗談を言いつつ、「さすらい」でステージを〆。いつもの調子、いつもの歌声、なんとも言えない安堵感にほっこりしてしまう。
スターダスト☆レビュー「Osaka Music DAYS!!! THE LIVE in 大阪城ホール」 画像 7/10
スターダスト☆レビューは「年寄枠の出演」(平均年齢61歳)と自虐するも、今なお年間100本以上の公演を続けるベテランアーティスト。そんな彼らにとっても、半年近くライブができなかったのはデビュー以降初めてのこと。「自分たちの音楽を育ててくれたのは観客の拍手があってこそ」と感謝の気持ちを伝え、「夢伝説」「木蘭の涙」など名曲を披露。根本の美しいハスキーボイスとどこまでも伸びていく高音、抜群の演奏力はとにかく圧巻だ。もちろん、笑いの絶えないMCや演出も忘れていない。若い世代の観客さえも夢中にさせる、熟練のパフォーマンスで次のステージへバトンを繋ぐ。
Saucy Dog「Osaka Music DAYS!!! THE LIVE in 大阪城ホール」 画像 8/10