●8曲目の「STAND ALONE」は、アルバム発売直前の3月に配信された1曲になります。
BOXER KID「先日『COMBAT』というDee Jayクラッシュ(HIP HOPでいうフリースタイル・バトル的なイベント)があったんですが、その出場が決まってから闘いに挑む者の自問自答を描こうと作っていきました。感情を優先したかったのでレコーディングは一発録り、MVも臨場感を感じて欲しくてライヴ映像を使っています」
●続く「I WANNA …」は、どのような想いで制作していったのでしょうか?
BOXER KID「昨年の夏、鳥取へライヴに行った時に友人とその家族も一緒だったんですが、その5歳の子供の初恋を目の当たりにしてテーマが湧いてきたんです。内容はあくまでフィクションですが、技術的な面ではなく、切ない雰囲気が出るように納得するまで何度もサビを歌い直したのは、今作の忘れられないエピソードのひとつです」
●そして、今作を締めくくる曲が「WHOLE WORLD」。クライマックスにふさわしい沁みる曲ですね?
BOXER KID「お恥ずかしながらこの歳になって少し気になるようになって、この世界の成り立ちやメカニズム、未来といったものをテーマにしています。浅知恵ではありますが、自分なりに調べて感じたことを歌にしました」
●個人的な感想で恐縮ですが、〈俺たちはここにいるって事だ〉という一節にグッときました。
BOXER KID「自分自身としても気持ちを込めた部分なので、そうおっしゃっていただけたら本当に嬉しいです。これまで様々なかけがえのないつながりを得られてきたからこそ、今の自分がある。僕らの生きている人生は儚いものかもしれないけれど、存在している魂はリアルだと信じたい。とは言え、まだ真に理解しきれていないとも思うので、時間をかけて自分が存在することの意味というか、その神髄に辿り着けたらと思っています」
●ここまで収録曲を振り返っていただきましたが、今作で表現できたBOXER KIDの世界観というのはどのようなものだと思いますか?
BOXER KID「質問の答えになっているかやや不確かではありますが、レゲエへの想いだと思います。多くの人にとってレゲエは特殊な音楽かもしれませんが、今作の制作を通してやはり自分にとって人生を費やせるほどの音楽だとの気づきを得た。そして、生ある内は歌えなくなるまで歌おうとの覚悟を新たにしました。すべては気持ち次第であり、行動すれば何かが変わっていくということ。改めて今、いつまでもワクワクして新しいことを考えながらトライを続けていきたいと思っています。そうして生み出す自分の音楽が聴いた人のきっかけのひとつになれば幸いです」
●このリリースを経て、2020年はBOXER KIDとしてどんな動きを見せられそうですか? 意気込みを聞かせてください。
BOXER KID「主宰レーベルNAKAMARU RECORDSも改めて動き出せたので、いろいろチャレンジをしたいと思っています。先ほども少しお話しした最近描いている画もキャンバスに落とし込んで発表したいのと、Tシャツなどアパレル面での動きも考えています。その他、毎週OA中のラジオやHEYZ CAFEでのイベント『THE PARTY』もぜひチェックしてみて欲しいです」
●MIGHTY JAM ROCKとしての今後の予定も教えてください。
BOXER KID「今年クルーとしてのアルバムが20枚目を迎えるにあたり特別なことを考えているので、来年に計画中のツアーも含めてぜひ期待していてください」
●改めておうかがいします。ソロ2枚目となる今作を受け取ったみなさんにどのように聴いて欲しいですか?
BOXER KID「作った側から言わせてもらうと、完成した時点で100点なんです。この後は聴いたみなさんそれぞれで少しでも何かを感じてもらえたらと思います。また、昨今の新型ウイルスの影響でライヴはもとより外出を控えている人も多いと思います。こんな時こそ、作品に触れて音楽の力を再確認してみるのはいかがでしょうか。その上で、この騒動が収束に向かって世の中が落ち着いた際には、ぜひダンス(ライヴやイベント)の現場にも足を運んでもらって、とにかく好きなように楽しんで欲しいです。時間は絶対に戻ってこないので、後悔のないように充実した毎日をすごしてください」
