2019年10月から2020年2月にかけて29公演に及ぶ自身最長のホールツアーとなった「Official髭男dism one-man tour19/20 -Hall Travelers-」のツアーファイナル公演が米子公会堂にて開催された。本来であれば2月11日のパシフィコ横浜国立大ホールがツアーファイナルとなっていたが、1月にDr.松浦のインフルエンザ罹患というアクシデントにより、2月21日の倉敷市民会館とあわせてメンバー曰く”ボーナスステージ”となった振替公演での最終公演となった。さらにメンバーのうち二人の出身地であり、バンドがよく練習に集まっていた地元の米子で迎えるファイナルとあって自然と会場には特別感があふれる。
【さらに写真を見る】Official髭男dism・米子公会堂公演の様子(6枚)
会場には早くからグッズを求めるファンが駆けつけ、賑わいを見せる中、開演時刻の17時が近づき、まだまだかとスタートを待つ観客の熱気が渦巻いていた。
昨年10月にリリースされた週間オリコンアルバムチャート1位を獲得したメジャーファースト・アルバム「Traveler」のラストトラック「Travelers」のSEで赤い緞帳がゆっくり上が観客が歓声で迎えるとアルバムのファーストトラック「イエスタデイ」でライブがスタート。美しいメロディにメンバー4人の楽器が呼応するかのような素晴らしいパフォーマンスに観客が酔いしれる。一瞬の刹那、ギターの小笹のリフが印象的な「Amazing」、ダンサブルな定番ナンバー「Tell Me Baby」を続けて歌い上げると、藤原は「帰ってきました!Official髭男dismです!めっちゃお待たせしました。待っていてくれて本当にありがとうございます!一人残らず全員にグッドミュージックを届けて帰ろうと思ってステージに立っています。米子出身だからライブしに来たわけじゃありません。米子という町に俺たちの事を応援して、こうやって待っていてくれてチケット買って遊びに来てくれた貴方の為に歌いに来ました!よろしくお願いします!」と挨拶。
撮影:渡邉一生 画像 2/6
藤原が虹色の照明で美しく照らされるとバラード曲 「115万キロのフィルム」をピアノで弾き語り曲をスタート、ライブアレンジが施されホーンセクションが印象的なオブリガードを奏でる。さらに最新アルバム『Traveler』から「バッドフォーミー」に続き「Rowan」、「ビンテージ」「最後の恋煩い」を披露。一曲一曲に熱を込めたプレイに観客も深く耳を傾け一体化していく。MCでは「ツアーファイナル楽しめてますか?この公会堂は小学校の時に合唱コンクールとか吹奏楽の定期演奏会とかをやった場所で、そこにこんなに人がいると思うとびっくりします。一回振替公演になってしまったけど、こうやって集まってくれたことが何度も喋ってしまうほど嬉しいです。改めて本当にありがとうございます!今日という日を待っててくれたということは本当に嬉しいし、その期待感を500倍くらい上回るセットリストを準備してきました!季節柄、ご時世柄マスクをして参加してくれている人もいて、それはすごく良いことだけどマスクの奥を笑顔にして帰ることをここに誓うし、心の底から思い切り笑ってグッドミュージックにまみれて帰ってもらうようにしっかりと一生懸命やっていくんで後半戦も盛り上がっていく準備できてますか!全員で最高のライブを創っていきましょう!」と語ると、アルバム「エスカパレード」から「ESCAPADE」では印象的なブラスハーモニーと競い合うように、ハンドマイクで縦横無尽に藤原が圧巻のボーカリゼーションを披露する。「みんなもっと歌おう!」と呼びかけ、「犬かキャットかで死ぬまで喧嘩しよう」で大合唱が巻き起こる。
その後、暗転からあけるとサポートメンバーのアンディと楢﨑によるサックスでの美しいしらべに観客は酔いしれる。そのままメンバーによるボーカルリレーが楽しい「旅は道連れ」に流れ込み、「ブラザーズ」では会場一体となった盛り上がりを見せる。
「FIRE GROUND」でボルテージが最高潮に達すると、Gt.小笹がフィーチャーされるギターソロ間奏で、藤原は「実は今までメンバーに黙って準備していた」というショルダーキーボードを持ち出し二人が熱演を見せる。「ノーダウト」のイントロが流れると高まった高揚感が一気に弾け、「Stand By You」では新たなライブアレンジが施されホーンセクションが盛り上がりを押し上げ大合唱が起こる。本編ラストにはメロウなミドルナンバー「ラストソング」で締めくくった。
