こうしたAK−69のアティチュードが、きっといつでも囁きかけてくる心身の限界や、求められるのは勝利という結果だけで、どうしたって付いて回る二つに一つの敗北に向き合うアスリートの琴線に触れるのだろう。またアスリートだけでなく、責任やリスクが日常的について回る起業家や経営者のファンが多いという(中には楽曲が社歌だった企業もあるという)のも頷ける話だ。
「死ぬにはいい日だ」
ライブ中のMCではネイティブアメリカンの言葉を引き、全ての瞬間を後悔しないように、今日が「最期」かもしれないと思って生きるという自らの人生哲学をAK−69は吐露していた。AK−69が日頃からよく口にする「死ぬほど生きる」という言葉も同様だが、このシンプルな美学がAK−69の音楽が観る者に明日の活力を与えている理由なのだろう。要するに「聴くと元気になる」のがAK−69の音楽なのだ。そして、その音楽は何よりライブで観るのが一番いい。消費され入れ替わりの早い世の流れの中で、AK−69が日本のヒップホップシーンのトップに君臨し続けているのは、ごまかしのきかないライブでもっとも本領を発揮しているからだ。この日は改めてそう納得した夜でもあった。
Photo by cherry chil lwill. 画像 5/5
AK−69のこれまでのイメージ(アンセムやセルフボースト)とはまた少し違う、新たな手触りとなる新曲「Hallelujah」の披露、TAKUYA∞(UVERworld)を呼び込んでの「Forever Young」、そして「(これまでも有言実行してきたように)東京ドームでのライブを実現する」(という宣言!)など、様々な見所をもってこの日のライブは幕を閉じた。
AK−69の次なる一歩が待たれる。Show must go on!! Yeeeaaahh man!!!!
