山村隆太(Vo)の歌唱時機能性発声障害で、2017年12月から約1年余り、バンド活動を休止していたflumpool。2019年はバンドの結成日である1月13日に地元大阪・天王寺公園でゲリラライブを実施し、活動再開を発表。その後は順調にライブを展開してきた。そして、復活の年の締めくくりを飾るのは、4人にとってもファンにとっても特別な場所となる大阪城ホール。『FOR ROOTS~シロテン・フィールズ・ワンスモア~』と題された1日限定のスペシャルな舞台にふさわしく、冒頭から遊び心あふれる演出が用意されていた。メンバーが8メートル以上もある日本一長いリムジンで会場に乗り付けると、レッドカーペットを歩いてステージ上に現れるまでを、FM802のDJ・大抜卓人氏が熱く実況中継する様子がステージ上のビジョンに映し出されたのだ。山村隆太(Vo)、阪井一生(Gt)、尼川元気(Ba)、小倉誠司(Dr)の4人が無事にステージ上に登場すると、ライブは『ベガ』から勢いよく滑り出した。
【さらに写真を見る】flumpool・年末ライブの様子(15枚)
「行くぜーオーサカー!」
山村が力強い声で叫ぶと、アリーナもスタンドも一斉にステージに向けて手を振り揺れ始める。続けて、『覚醒アイデンティティ』『labo』と序盤からこれぞロックバンド!といったMAXの熱量で畳み掛けていった。
3曲終えたところで、観客からの「おかえり~!」に、「ただいまー、帰ってきたで大阪!きてくれてありがとう!」と山村が返答すると、喜びを爆発させるような盛大な拍手が送られた。それをしっかりと受け止めるように、山村は真摯な眼差しで語り始める。10年以上前に同会場がある大阪城公園内の“シロテン”でストリートライブをしていた時のこと、2年前に声が出なくなって公演を中止せざるをえなくなったこと。そして、今年は無事に活動を再開することができて、3年ぶりにここ(=大阪城ホールの舞台)に立てることができて嬉しいという万感の思いを伝えた。
Photo by 渡邉一生 画像 3/15
Photo by 渡邉一生 画像 4/15
Photo by 渡邉一生 画像 5/15
Photo by 渡邉一生 画像 6/15
次のブロックでは『大切なものは君以外に見当たらなくて』、デビュー曲『花になれ』を歌った直後に、待望の新曲『ネバーマインド』を披露。サビから始まり、高ぶる気持ちに突き動かされるように展開してゆくアグレッシヴなナンバーだ。続く『two of us』はイントロから大きな歓声が上がる。ハンドクラップが重なり、ステージに向けて一斉に手が振られる光景が見られた。
中盤には、“隠れた名曲”を演奏するレアなコーナーが設けられて、『Answer』『残像』『388859』が演奏された。特にキーボードとバイオリンがはえるバラードの『残像』ではオーディエンスも吸い込まれるようにじっと聞き入っていた。「ふだんのライブでは滅多にやらない曲」ということで、メンバー自身も新鮮な気分を味わっていたようだ。
