アニーのドラムが口火を切った「パンチドランカー」を挟み、吉井がカメラにキスをしたり、エマとの濃密な絡みを見せた「SUCK OF LIFE」では、「THE YELLOW MONKEY IS MY LIFE!」と力強く叫び、クライマックスに向けて会場の熱狂が加速していった。
ラスト1曲を残したところで、「ドームツアーなんて夢のようです」と伝えた吉井は、THE YELLOW MONKEYというバンド名について、「本来、欧米からやってきたロックというものを、
日本人の心意気でやってみようじゃないかという気持ちで、このバンド名をつけました」と改めて説明。「当時は、周りの人にバカにされてたけど、自分はこのバンド名を誇りに思って活動してきました」と熱く語った。
さらに、イエローモンキーの音楽について、「僕は、現実と、目に見えない何かを結ぶ懸け橋の部分を歌うのがロックだと思ってやってきた」と想いを語り、戦争や、浮かばれない想いを抱えた女性のことを歌ってきたというバンドの表現の在り方にも触れると、
そんなバンドの神髄が詰まった2ndアルバム『EXPERIENCE MOVIE (未公開のエクスペリエンス・ムービー)』の収録曲「シルクスカーフに帽子のマダム」で、ライブ本編を締めくくった。雄大なバンドサウンドのなかで美しいファルセットが響きわたった深遠なフィナーレは、アニバーサリーの祝祭感だけではなく、30年間イエローモンキーが貫いてきたロックバンドとしての信念も感じられるものだった。
アンコールでは、メカラ ウロコでは恒例の「おそそブギウギ」をメンバー全員で歌うと、「バラ色の日々」では、エマが吉井の横にぴったりと寄り添ってプレイ。「ALRIGHT」では、
吉井が、メンバー紹介しながら、一人ひとりに「30周年おめでとう!」と祝いの言葉をかけていくと、ヒーセもまた、吉井の名前を呼び、「30周年おめでとう!」と返した。
