2019.12.27 公開
TK from 凛として時雨、ギリギリのバランスで美しさを醸し出すアコースティックセットでのワンマンライブ

Photography: 岡田貴之  画像 1/6

 青く薄暗い照明だけが目に映る中、客席からはどこからともなく手拍子が強くなり続けている。しばらくしてTKがステージに現れ、手を合わせ、おじぎをした後、「楽しいですかー? ありがとうございます。チューニングを間違えたまま、1曲やってしまって本当にごめんなさい。そんなことを含めて僕はライヴをやりにきました」と言う。

TK from 凛として時雨、ギリギリのバランスで美しさを醸し出すアコースティックセットでのワンマンライブPhotography: 岡田貴之  画像 4/6

そしてギターを持ち、ただ一人きりで「CRAZY感情STYLE」を披露。2F席まで突き抜けていく強さを持った歌とギターに、ただひたすら、釘付けになってしまった。「それでは頼もしいメンバーをもう一度、迎えましょう。そして、安藤裕子」と、今日のフルメンバーが揃い、演奏されたのは「white silence」。ゆったりと進みながら、1曲の中でも秒単位で多彩な表情を見せていく。アンコールのラストを飾ったのは、「unravel」。

ここではTKがギターを置き、ハンドマイクに。しばしTKの歌と小松のピアノとだけ、というミニマルな世界のまま。いかに今、かけがえのない時間に立ち会っているのかを改めて実感させられる心地でもあった。

TK from 凛として時雨、ギリギリのバランスで美しさを醸し出すアコースティックセットでのワンマンライブPhotography: 岡田貴之  画像 5/6

 すべての物事は表裏一体と言わんばかりに、相反するものまで様々な要素を含み、ギリギリのバランスで、歌とサウンド、その空間の演出自体でも美しさを醸し出していたライヴ。すべてが調和していたとも言えるだろうか。ステージから放たれる熱量にただただ、圧倒されるままにというわけではなく、全身で受け止めると同時に、こちらが抱く感情もすぐさまその場に溢れ出ていく、という感触が終始した。頭の中、心の中をすみずみまで動かした分、

終演後もしばらくは席から離れることができずにいたくらいに。少し時間が経った今もまだ、この日見た光景が後を引いている。

TK from 凛として時雨、ギリギリのバランスで美しさを醸し出すアコースティックセットでのワンマンライブPhotography: 岡田貴之  画像 6/6

 終演後、TK from 凛として時雨として、来春に4thアルバムをリリースすることと、2020年4月22日〈LIQUIDROOM〉より全11公演の全国ツアーを開催することが発表された。またTKがどのような世界を見せてくれるのか。こちらも楽しみに待ちたい。

Text: 松坂 愛

M1 未発表曲

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